NECが世界初開発、人の不安を予測してロボットを制御するフィジカルAI

NECが世界初開発、人の不安を予測してロボットを制御するフィジカルAI
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日本電気株式会社(以下、NEC)は、人の動きと心理状態を予測する独自の「人間系世界モデル」を活用し、人の不安の程度を定量的に推定した上で、不安を高めないように先回りしてロボットを制御するフィジカルAIを、世界で初めて開発した。

本技術は、ロボットと人の相対的な位置・姿勢から人の進行方向や人の不安の程度をリアルタイムで予測する。

これにより、ロボットが人の不安を軽減できるような経路や速度で自律走行することが可能となる。

人とロボットの協働を実現する独自技術

本技術の導入により、ロボット専用区画が未整備の環境や通路が狭い中小規模の物流倉庫や工場、小売店舗など、これまで心理的ハードルが高かった現場において、人とロボットを分離するレイアウト設計や、あらかじめ固定された走行コースの設計が不要となる。

より柔軟で効率的な運用が実現できることで、ロボット導入が促進され、人手不足の解消と生産性向上に貢献する。

労働力不足や危険作業への対応策として、フィジカルAIを活用したロボットへの期待が高まっている。

人とロボットが協働する現場では、衝突や接触を避ける身体的な安全性に加えて、人の不安を軽減する心理的な安全性も重要となる。

しかし、こうした心理的な安全性の確保には課題が多く、ロボットが人の動きや心理を正確に把握し、先を見越して走行を制御することは容易ではない。

ロボットの挙動によっては、人が不安や緊張を感じ、円滑な協働が妨げられる場合もある。

2つの予測モデルで構成される人間系世界モデル

本技術は、以下の2つの予測モデルを組み合わせて独自に開発した人間系世界モデルを活用している。これにより、ロボットがとある走行制御を実行した場合に将来の人の不安の程度を予測し、人の動きを先回りした最適な走行制御を実現する。

その結果、不要な減速や停止を抑えつつ、移動効率を維持しながら、人の不安の程度を最小限に抑える経路や速度での走行が可能となる。

1.ロボットの挙動や物理的な周囲の状況によって変化する人の動きを予測するモデル

「人とロボットの挙動」や「人と物理的な周囲の状況」との関係を捉えることで、変化する人の動きを予測できる独自の予測モデルを構築した。

本予測モデルは、人の3D骨格情報を取り入れ、ロボットに搭載されたカメラ映像とロボットの制御情報をもとに、ロボットの挙動や周辺の環境情報を考慮しながら、映像に映る人の数秒後の3次元位置や姿勢を高精度に予測することが可能である。

2.ロボットの接近によって変化する、人の不安の程度をリアルタイムかつ定量的に推定するモデル

ロボットを被験者の周囲に走らせ、不安の程度をアンケート調査した実験結果と、ロボットの走行データをAIに学習させることで、人とロボットの相対的な位置・姿勢・速度に基づき、人の不安の程度を定量的に推定する独自の予測モデルを構築している。

本モデルにより、ロボットが人に接近した際も、個々の状況に応じて人が感じる不安の程度をリアルタイムで推定することができる。

NECの歩み

NECはこれまでフィジカルAI分野で注目を集める世界モデルや、ロボット制御技術の研究開発にも取り組んできた。これらの取り組みで蓄積された知見やノウハウ、研究成果を融合することで、今回の技術開発が実現した。

NECは、2027年度中に本技術の実用化を目指す方針だ。

《ロボスタ編集部》

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