株式会社アトラックラボは、ロボットが行動を実行する前に複数パターンの未来を予測し、その中から最適な行動を選択できるAIプラットフォームを開発したと発表した。ドローンやUGV(無人陸上車両)をはじめとする多様なロボットに搭載可能で、不確実性の高い環境下でも安全かつ効率的な自律行動を実現することを目的とする。
行動前に複数の未来を予測する仕組み
従来の多くのロボットAIは、センサーで取得した現在の状況を基に次の一手を決定する「反応型」の制御が中心だった。これに対し同社が開発したプラットフォームは、行動を実行する前に取り得る複数の未来(シナリオ)をシミュレーションし、それぞれの結果を評価した上で最も好ましい行動を選び取る点が特徴だ。
これにより、障害物や人の動き、環境の変化など不確実な要素が多い現場でも、ロボットが致命的な失敗を避けながら目的を達成しやすくなるとしている。予測に基づく意思決定は、单純なルールベースの制御では対応が難しい複雑な状況判断を、ロボット自身が事前に検討できるようにするアプローチと言える。
多様なロボットへの搭載を想定
同プラットフォームは特定の機体に依存しない設計で、ドローンや地上を走行するUGVなど、複数の種類のロボットへの適用を想定しているという。空間を移動しながら周囲の状況に応じて行動を判断する必要があるロボット全般に対して、汎用的な「頭脳」として機能させることを狙う。
物流・インフラ点検・警備・災害対応など、無人機やロボットの活用が広がる分野では、予期しない事態への対応力が導入の可否を左右する重要な要素となっている。同社は今回のプラットフォームによって、こうした現場でのロボット活用の裾野を広げたい考えだ。
フィジカルAI領域での競争力強化に向けて
近年、ロボットの制御に生成AIや大規模なシミュレーション技術を組み合わせる「フィジカルAI」の研究開発が国内外で活発化している。行動選択の精度と安全性を高める予測型のアプローチは、フィジカルAIの実用化を進める上での重要な技術要素のひとつとされる。
アトラックラボは今回のプラットフォーム開発を通じて、複雑な実環境で稼働するロボットの信頼性向上に取り組んでいく方針だ。
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