AIロボット「COZMO」のプログラミング授業を子ども達が笑顔で体験!「タカラトミー出張授業」千葉・風早南部小学校で

7月4日、タカラトミーの社員が小学校に出張し、オモチャメーカーとして仕事に関するキャリア教育の授業とプログラミング教室を行った。タカラトミーは2012年から本格的な取り組みとして小学校でのキャリア教育を始めている。今年度は12〜15校程度の小学校での開催を予定している。
主に「環境・リサイクル」と「多様性」等がテーマの出張授業を行うことが多いと言う。例えば、タカラトミーには再生材料を使うなど「エコトイ」と呼ばれる環境に配慮した製品があり、「環境・リサイクル」教室ではそれらを紹介することで、オモチャを通してエコへの感心を高める授業を行う。「共遊」教室では、障がい者も一緒に遊ぶことができるオモチャ等を紹介している。


今回は「環境・リサイクル」や「共遊」ではなく、プログラミング教育を初めてテーマに取り入れた。この「プログラミング教室」には同社のAIロボット玩具「COZMO」(コズモ)が使用された。

タカラトミーのAIロボット「COZMO」。「COZMO」は生徒2人にひとつの割合で、合計25台がタブレットとともに用意された。COZMOに関する記事はこちら



タカラトミー出張授業

次世代教育支援を目的とし、CSRの一環として行われた「タカラトミー出張授業・プログラミング教室」は、千葉県柏市にある柏市立風早南部小学校で、小学5年生の2クラス、47名を対象に実施された。特徴的なのは、本業のおもちゃを活かしたものになっていることだ。


最初の授業(45分)はキャリア教育関連のもの。子ども達はグループで、タカラトミーの社員から仕事についての話を聞いたり、インタビューすることで、オモチャ会社の仕事を研究することができる。


タカラトミーの社員が自社のオモチャ製品を交えてお仕事紹介をすると、子ども達は真剣な表情でそれに聞き入っていた。




子ども達からは「仕事をしていて1番楽しかったこと、苦労したことはなんですか」「1番売れたおもちゃはなんですか」「今年流行しそうなおもちゃはなんですか」「リカちゃん、トミカ、人生ゲームはなぜ作り始めたのですか」「1日いくつくらいアイディアがうかびますか」などの質問から「ヒットしたらいくらもらえますか」「ボーナスはいくらもらえますか」といった回答しづらいものまで、さまざまな内容のものが飛び交っていた。

子ども達がタカラトミーの社員にインタビューした内容をきちんとレポートにまとめる光景が見られた

題材がオモチャなので、子ども達は目を輝かせて参加しているのが印象的


COZMOの「プログラミング教室」

次の授業はいよいよ「プログラミング教室」。同社が販売している小型のAIロボット「COZMO」を使い、同製品のマーケティングや開発チームの担当者が先生になってプログラミングの基礎を学んだ。

COZMOが起動すると表情や動きの可愛さで、みんなが笑顔に

ソフトウェアはタブレットにインストールしたスクラッチ・タイプのツールを使い、講師が見本を見せながらブロックを使ったプログラミングを体験した。

ブロックをドラッグ&ドロップして行う「コードラボ」のプログラミング操作を講師が解説

ブロックを並べることでCOZMOの動きや表情を思い通りにプログラミングできる

プログラミングした通りにCOZMOが動いてくれるか興味津々

「COZMO」が笑ったり、くしゃみをすると笑いが起こり、前後左右に動かしたり、光るブロックを持ち上げさせたり、と、わずか45分の授業だったが、子ども達は全員「COZMO」を思い通りに動かすことができて、プログラミングの楽しさを理解したようだった。





■ 「タカラトミー出張授業」COZMOプログラミング教室


「ロボットを使ったプログラミング教育は特に興味を引く」校長先生

今回の「タカラトミー出張授業・プログラミング教室」について、田﨑校長先生に話を聞いた。

柏市立風早南部小学校 校長 田﨑和彦氏

編集部

企業による出張授業やキャリア教室はよく行われるのですか?

田﨑(敬称略)

いろいろな企業に来て頂き、出張授業を行ってもらっています。今年度に入っては初めてです。タカラトミーさんはオモチャのメーカーということもあって、子ども達は製品やお仕事にとても興味を持っています。子ども達が興味を持つ企業にキャリア教育の授業をしてもらうことはより効果的だと感じています。


また、企業の方による会社での経験談やインタビューは、子ども達にとってとても良い経験になると感じています。会社での実体験については教員が教えることは難しいからです。
もうひとつ、教員の多忙を解消するという課題があります。このような民間企業の方による出張授業はその意味でもとても助かっています。今回の出張授業のカリキュラムには「プログラミング教育」も含まれるということで更にとても興味を感じました。

編集部

プログラミング教育と今回のような出張授業について感じていることを教えてください

田﨑

柏市のICTの教育環境は比較的整っていて、パソコン室のすべてのコンピュータにプログラミング用の教材が既に入っていますので、プログラミング教育について教員が不安を抱いたり困っている、ということはありません。ただ、パソコン画面の中で学習するプログラミング教育とは違って、今回のように目の前で動く実際のロボットを使ってプログラミングを行うことは、子ども達の興味の観点からもとても効果的だと感じています。






タカラトミーの出張授業については下記のホームページで情報公開を行っている。出張授業を希望する学校関係者からの問合わせ先も掲載されている。

タカラトミーや教員の皆さん、柏市立風早南部小学校 5年生のみんな、どうもありがとうございました


関連サイト
COZMO (タカラトミー)

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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