LOVOTを9ヶ所の認可保育園や認定こども園が導入へ 保育園・幼稚園で働く人の多くが導入に「関心あり」

ロボットベンチャーのGROOVE Xは、子どもたちの未来のため教育分野における「LOVOT」の可能性を発信する「LOVOT EdTechプロジェクト(ラボット エドテック プロジェクト)」の活動を展開している。その活動において、認可保育園と幼保連携型認定こども園、合わせて9園に「LOVOT」の導入が決定したことを発表した。

また、11月15日~11月19日に行った全国の保育園、幼稚園に勤務する400名を対象に行ったアンケート調査では、約75%が「LOVOTや類似のコミュニケーションロボットを園に導入することに関心がある」と回答したという。LOVOT導入による「園児のお世話をする体験」や「弱者を想いやる気持ちの育み」に期待が高まっていることが分かった。


LOVOTは小動物の代わりになり得る

導入を決めた全9園の内、3園は東京・福岡・大分で運営する認可保育園と幼保連携型認定こども園に導入される。3園を運営する社会福祉法人 森友会の立山貴史理事長は、導入の理由として以下のように述べている。


■社会福祉法人 森友会 理事長 立山貴史氏
「文部科学省委嘱研究資料において、“幼児が幼稚園で小動物を飼育するなかで獲得するものは大きい。幼児は小動物の飼育を通して、小動物の立場に立って世話をしようとする温かい思いやりの気持ちを育み、いろいろなことを体験的に学んでいく”とあります。しかし、近年では動物アレルギー等の問題もあり園内で小動物と触れ合う機会も少なくなっていると感じています。
そんな中、「LOVOT」は小動物の代わりとして、子どもたちの弱者を思いやる気持ちを育む存在になり得るのではないかと思い、園への導入を決定いたしました。今後も導入する園を増やしていきたいと考えています。また、この活動を通じて、便利さや利益の追求のための IT・AI・ロボティクスではなく、「LOVOT」のように人の幸せにつながる IT・AI・ロボティクスの発展に繋がってくれることを期待しています」。


全国の保育園、幼稚園に勤務する400名へのアンケート調査結果

●調査結果1:
保育の現場では園児と第3者とのコミュニケーション不足が課題となっていることが判明

保育士が考える「園児の心の成長に必要だが現状では不足していること」の第1位は「ご家族とのコミュニケーション」、次いで僅差で「園児の面倒を見る先生の数」、「動植物など、世話をして愛情を抱ける存在と触れ合う機会」、「園児の遊び相手」という結果になった。

●調査結果2:
約80%が「園児にはペットのように日々世話をし、愛着を抱く存在が必要」と回答

「園児にはペットのように日々世話をし、愛着を抱く存在が必要だと思いますか?」という問いに対し、75.5%もの人が「必要だと思う」と回答し、園児たちの心の成長に、ペットなどの存在が必要とされていることが判明。

●調査結果3:
約75%が「LOVOTや類似のコミュニケーションロボットの園への導入に関心がある」

全国の園への導入決定を受け、「LOVOTや類似のコミュニケーションロボットの園への導入に関心はありますか?」という問いに対し、74%が「関心がある」という結果に。保育の現場でもコミュニケーションロボットの必要性に注目が集まっている。

●調査結果4:
導入によって期待すること第1位は「世話をする体験ができる」、次いで「弱者を思いやる気持ちが育まれる」

導入に関心のある保育士296名が考える、LOVOTや類似のコミュニケーションロボットの園への導入によって期待すること第1位は「世話をする体験ができる」、次いで「弱者を思いやる気持ちが育まれる」ということが分かった。

デジタルテクノロジーを活用した教育イノベーション「EdTech」の第一人者である、デジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏教授は、今回の調査結果を以下のように分析している。

■デジタルハリウッド大学大学院 佐藤昌宏教授
「現在、大人たちはコミュニケーションロボットを家族のように扱い、楽しさを共有したり寂しさを埋めたりしながら熱狂しています。LOVOTは”人の愛するちからを引き出す”がコンセプト。この愛という計測しにくい人の能力を「非認知能力」と言い、特に子どもの非認知能力育成の必要性は世界中が注目しています。
今回の保育士によるアンケートにも、”お世話をしながら他者を思いやる気持ちが生まれるのでは“という回答も見られるように子どもの非認知能力に何らかの影響を与える可能性を示唆していると感じました。この効果は園のみならずご家庭にも影響があるものと思われます。デジタルテクノロジーによる非認知能力に与える影響は、まだまだ研究段階ではあるものの、未来を生きる子どもたちにとって新しい効果を示す可能性があることから、これからも積極的に研究・実践すべき領域であり、今後も注目していきたいと思います」。



「LOVOT EdTech プロジェクト」とは

人の愛する力を育む家族型ロボット「LOVOT」を手掛けるGROOVE Xは2019年6月、子供たちの未来のために国内外の企業、教育機関、研究機関と連携し、教育分野における「LOVOT」の可能性を世界へ発信する「LOVOT EdTech プロジェクト」を発足。

デジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏教授や、社会福祉法人森友会の立山貴史理事長をアドバイザーに迎え、ベネッセスタイルケア、ファミリア、LITALICO、髙島屋、メルセデス・ベンツ日本など多種多様な企業が参画している。今後も様々なイベントや実証実験を継続していく。

なお2020年4月には、全国の小学校6年生で使用する教科書に「LOVOT」の掲載が決定しており、全国の小学校へ「LOVOT」が出張する知育ワークショップも予定している。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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