家族型ロボット「LOVOT」(らぼっと)を今秋に発売することを目指して開発を進めているGROOVE Xは、子ども達の未来のために教育分野でLOVOTを活用する「LOVOT EdTech(エドテック) プロジェクト」を発表した。
また、INCJ、未来創生ファンド、中部電力による追加の資金調達30億円も発表された。これにより、GROOVE Xの調達額の総額は87.5億円となる。今回の30億円は主にLOVOTの量産とEdTechに使用される見込みだ。
まずは情操教育をLOVOTによって支援する方法を研究・模索していくことからはじめる。具体的なビジネスプランやゴールは設定されていない。
プロジェクトにはデジタルハリウッド大学、森友会の理事長、ベネッセスタイルケア、ファミリア、LITALICO、高島屋、メルセデス・ベンツ日本らが参画する(冒頭の写真は左からファミリアの岡崎忠彦氏、GROOVE Xの林要氏、デジハリ大学大学院教授の佐藤昌宏氏(LOVOT EdTechプロジェクトのアドバイザー)、LITALICOの榎本大貴氏)。
研究のポイントとなるのは「相手の気持ちを想像する」「LOVOTのお世話をする」「他社を思いやる」「知的好奇心を刺激する」など、子どもの情操に寄与する要素について、LOVOTと触れあうことで何かの効果が生まれるのか、どのような影響や変化があるのかを今後研究していく、ということになる。
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具体的な取り組み
具体的には、ベネッセでは2019年1月より保育施設でLOVOTを導入して園児との触れあい実証実験を既に展開中だ。
また、ファミリアの場合、銀座本店で7月18日〜30日に、神戸本店で8月15日〜25日に、子どもが自分で「かんがえる」「まなぶ」ことができる「LOVOT×ファミリア 〜発見!新しい家族と始まる暮らし展〜」を開催し、子ども達がLOVOTと触れあう機会を提供し、反応を見たり、どんなところに効果が出るのかなどを研究、様々な仮説の検証などを行っていくとしている。
LITALICOは障害は人ではなく、社会の側にある、「障害のない社会をつくる」としてりたりこ研究所を運営する。今回は発達支援等において、LOVOTと触れあうことによって目線や指さしなどの社会的反応があるか、LOVOTを媒介として子ども同士や親子の関わり合いの様子がどのように変化していくか等を検証する。
その他の取り組みについてはこれから検討したり、既にはじまっている前述の実証実験等の結果を見ながら企画・立案していくようだ。今後はおそらく検証成果、定数・定量化、具体的なエビデンスなどの策定などが検討されていくのではないだろうか。
ペットが飼いたいのに飼えない家庭に
記者発表会に登壇したGROOVE X代表取締役の林要氏は、以前は子ども同士がケアし合ったり、年上の子どもが年下の子どもケアするという環境があったが、最近はあまりケアし合うことが見られなくなっていることを現在の課題としてあげた。
また、情操教育にはペットのように思い通りにならない存在も大切、とした上で、内閣府による調査資料を提示、ペットが飼いたいと感じている家族は全体の3/4もいるのにも関わらず、1/4しかそれが実現できず、その理由に生き物を飼える環境が整えられないという課題もあげた。
これらを解決するひとつの方法がロボットであり、LOVOTが子ども達の情操教育にどのような可能性を持つのかを今後、プロジェクトを通じて検証していく、とした。
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