レジなしチェックアウトシステム(無人AI決済店舗)を開発する米スタンダード社 商品棚の管理を自動化する伊チェックアウト社を買収

海外でも無人AI決済店舗の構築が注目されている。
AI技術を基盤としたレジ無しチェックアウトシステムを提供する米Standard Cognition(スタンダード・コグニション、以下スタンダード社)は、イタリアのベンチャー企業Checkout Technologies(チェックアウト・テクノロジーズ:以下チェックアウト社)を買収したことを5月19日に発表した。


チェックアウトの技術で商品棚の監視を自動化

チェックアウト社は「フリクションレス(手間がかからない)体験」が可能となる小売業向けチェックアウトシステムのためのAI技術を開発している企業。今回の買収によりスタンダードは、システム開発に携わる技術者人材を大幅に増大できるほか、ヨーロッパでの存在感を示すことに繋がると考えている。

チェックアウトの技術を使えば、商品の置き間違い(赤)やカメラからブロックされた棚(青)などの異常を検出し、スタッフに迅速に通知することができる。

緑は棚が正常な状態。チェックアウトのアルゴリズムは、店舗の棚の配置を分析してリアルタイムで解析。異常があった場合は直ちに店舗スタッフに警告。

買収を決めたスタンダード社は既存の小売店舗に迅速かつ簡単に導入が可能なAIを基盤としたレジ無しチェックアウトシステムを提供するスタートアップ企業。サンフランシスコで初めてレジ無しの店舗をオープンした。米ビジネス誌Fast Companyから「世界で最も革新的な企業50社」に選ばれ、アメリカをはじめとする世界の小売企業と提携している。これまでに、CRV、Initialized Capital、EQT Ventures、Y Combinatorなどの著名な投資企業から8600万ドルの資金を調達している。



CEO、投資家からのコメント

スタンダード社の共同創立者でCEOのジョーダン・フィッシャー(Jordan Fisher)氏は次のようにコメントしている、

ジョーダン・フィッシャー(Jordan Fisher)氏
「今回の買収により、スタンダードは確固とした技術だけでなく、世界トップクラスのAI・機械学習の技術者を多く得ることができました。また、我々のヨーロッパでの存在感も増したと思います。技術力を強化できたことで、事業計画の実現が加速され、お客様により早く、新しい技術革新を提供できると確信しています。ミラノは、機械学習やAIの研究開発における新たな世界の中心地です。今回の買収により、ヨーロッパにおける弊社の存在感を示すことができるうえ、ミラノで成長しているテクノロジー分野に投資できることを嬉しく思っています」

イタリア初のネット専業スーパーであるスーパーメルカート24(Supermercato24)の創業者で、チェックアウトの創業者兼CEOでもあるエンリコ・パンディアン(Enrico Pandian)氏は、次のようにコメントしている。

エンリコ・パンディアン(Enrico Pandian)氏
「スタンダードは、フリクションレス(手間がかからない)体験が可能となるチェックアウトシステムの業界において、先駆者的な存在として台頭しています。チェックアウトとスタンダードは、両社とも同様な小売業界における問題に取り組んでおり、多くの共通点があります。我々が一緒になることで、レジ無しチェックアウトの世界市場に大きく食い込んでいくことができると考えています」

チェックアウトの最大の投資家で、イタリア最大のベンチャーキャピタルであるパリター・パートナーズ(Pariter Partners)の創業者兼パートナーのジャリ・オニベーニ(Jari Ognibeni)氏は次のようにコメントしている。

ジャリ・オニベーニ(Jari Ognibeni)氏
「この買収は、急速にヨーロッパで最も注目される拠点となりつつあるイタリアの活気あるスタートアップやディープテック(根深い課題を技術で解決する活動)の人材にスポットライトが当たるきっかけとなるでしょう。我々は、パンディアン氏と彼のチームに期待しており、市場が発展していく中でスタンダードがさらなる成長を遂げることを楽しみにしています」

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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