JAXA ANAとの宇宙アバター事業向け機材を国際宇宙ステーション(ISS)内に搬入成功 【世界初】宇宙アバター実証に向けたステップ

2020年5月29日、宇宙航空研究開発機構「JAXA」は宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機に搭載された、共創型研究開発プログラム「J-SPARC」で進める宇宙メディア事業と宇宙アバター事業の各技術実証に必要な関連機材が、国際宇宙ステーション(ISS)内に無事搬入されたことを発表した。宇宙アバター事業では世界初、国際宇宙ステーションの宇宙アバター「space avatar」操作の実証実験が始動することを意味する。

「こうのとり」9号機は5月21日にH-IIBロケットにて打ち上げられ、26日にISS結合、現在係留中。宇宙メディア事業は株式会社バスキュール、スカパーJSAT株式会社及びJAXAによる活動であり、宇宙アバター事業はANAホールディングス株式会社(ANAHD)とANAグループのavatarin株式会社、JAXAによるプロジェクトとなっている。

※冒頭の画像はドラゴン宇宙船から見たISS(中央下に係留中のこうのとり・中央右に日本実験棟「きぼう」)【NASA放送より】




共創型研究開発プログラムJ-SPARC(ジェイ・スパーク)

「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」とは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムだ。2018年5月から始動し、現在約20プロジェクトを進めている。
 
■【動画】「共創しよう。宇宙は、世界を変えられる。」J-SPARC(コンセプトムービー)




ISS内に搬入されたものとは

今回、搬入されたものは、今夏以降の宇宙メディア事業・「KIBO宇宙放送局」開設に必要であり、将来の多様な取り組みにも活用可能なNDフィルター(窓から見える地球とタブレットの画像の輝度を調整、Zero-G Indicator(微小重力下での浮遊を示す)付)やケーブル・固定器具等の機材、2020年内予定される宇宙アバター事業の実証に必要な宇宙アバター「space avatar」カメラや映像伝達装置等の機材だ。

(左)【宇宙メディア事業】NDフィルター・Zero-G Indicator/(右)【宇宙アバター事業】space avatar カメラ

今後、搬入された関連機材の確認と取り付け等を行い、今夏以降に、同宇宙メディア事業による、ISS内宇宙飛行士と共にISS日本実験棟「きぼう」に設置されたディプレイを介した世界初の対面型双方向ライブ配信の技術実証を、また、2020年内に「きぼう」の窓付近に設置した宇宙アバター「space avatar」カメラの操作体験を一般の方に提供する(宇宙アバター事業)の世界初の取り組み実証を行う予定だ。

「きぼう」円窓そばに地上映像モニターを設置しライブ配信を行うイメージ

両事業は、新しい宇宙ビジネス及び新しい技術の獲得を目指す共創型研究開発プログラムJ-SPARCにおいて、ISS日本実験棟「きぼう」のこれまでにない発想による民間主導のビジネスとして先駆けとなる試みであり、今後、ますます広がるであろう「きぼう」の新たな使い方の一歩として期待されている。

「space avatar」体験イメージ© avatarin/Clouds Architecture Office

宇宙メディア事業・J-SPARCプロデューサー 高田真氏

2019年1月以降、バスキュール社、スカパーJSAT社各々から「きぼう」を活用した事業提案があり、短時間で技術・事業実証を目指して、JAXAを含む3社で検討を進めてきました。今回打ち上げられた機材は、「きぼう」の新たな共通基盤品であり、JAXAミッションでの利用に加え、本宇宙メディア事業をはじめとした多様な民間事業へ、活躍の場を広げていくものです。小さな機材、されど、「きぼう」の新たな使い方を広げる大事な機材です。 昨日、米国民間有人宇宙船によるISSへのドッキングが成功し、今後、地球近傍の宇宙空間(地球低軌道)において、新たな発想による民間主導ビジネスは、さらに加速していくでしょう。


宇宙アバター事業・J-SPARCプロデューサー 神谷岳志氏

「アバター技術」は、遠隔操作ロボットを活用し、よりリアルな遠隔コミュニケーションや効率的な遠隔作業を可能にする「人間拡張技術」と定義されており、昨今、遠隔医療、遠隔教育、遠隔観光等の分野で需要が急拡大しています。J-SPARCアバターXプログラムでは、この技術を宇宙分野で発展させて広く活用し、宇宙空間における遠隔建設や遠隔機器メンテナンス、遠隔宇宙旅行体験等の実現を目指しています。今回予定される「きぼう」における技術実証の成果は、地上での災害時や通信インフラ未整備のエリアにおけるアバター利用にも展開されることを期待しています。


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ロボスタ編集部
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