「AI美空ひばり」ができるまでをDVD化 NHK「よみがえる美空ひばり」発売へ

「AI美空ひばり」
AIによる美空ひばりの新曲披露の映像。よくも悪くも話題になり、亡くなった有名人を最新技術で蘇らせること、その是非に賛否両論が集まった。

2019年に放送され、美空ひばり30年ぶりの新曲が誕生したことでも話題となった「よみがえる美空ひばり」がついに12月23日にDVDとしてリリースされることが決定した。
昨年の放送後に反響を呼び、NHK紅白歌合戦でも披露された歌声が多くのファンからの要望を受けてDVDとして発売される。





「よみがえる美空ひばり」とは

「よみがえる美空ひばり」は、最新の人工知能(AI)技術によって美空ひばりの声を現代によみがえらせ、AI美空ひばりの新曲「あれから」を制作し、ライブを披露する試みに挑んだドキュメンタリー番組。
30年ぶりに誕生した新曲「あれから」は作詞とプロデュースを美空ひばり生前最後のシングルである「川の流れのように」を手がけた秋元康氏が担当した。

番組では美空ひばりの過去の膨大な音声データから、ヤマハ株式会社が開発を進めている最新の人工知能(AI)技術によって、ひばりの声を現代によみがえらせ、AI美空ひばりとして新曲を歌唱し、人の心を揺さぶらせることができるのかという試みに挑んだ。

楽曲を制作するにあたり、秋元氏は演歌ではなく現代風のメロディーにしたかったと話し、膨大な数のデモテープから選曲しました。特にサビで歌われる「あれからどうしていましたか?」と問いかけるフレーズは、聴いたものに衝撃的な印象を与えた。

また、曲中で語られる語りは、長期のツアーや劇場公演で家に帰れない美空ひばりが、息子である加藤和也氏に読み聞かせていたカセットテープに残された音声データをコンピュータに読み込ませ生成されたもの。
番組が放送されるや否や、SNS上ではそのAI技術と楽曲のクオリティーを絶賛する声が集まり、番組の再放送や楽曲のCD化の要望が相次いだという。

その反響もあって、「あれから」は2019年12月に美空ひばりの生前ラストシングル「川の流れのように」以来30年ぶりの新曲として日本コロムビアよりCDリリースが決定し、さらに昨年の「第70回NHK紅白歌合戦」では美空ひばりが40年ぶりに“復活”し、多くのファンが待ち望んでいた歌声が紅白のステージで披露された。




「あれから」の制作で使われたAI(人工知能)技術とは?

現在ヤマハ株式会社が開発を進めている、深層学習技術(ディープラーニング)を使用した歌声合成技術「VOCALOID:AI™」(ボーカロイド:エーアイ)のこと。この「VOCALOID:AI™」を用いて、収集した美空ひばり生前の歌や話し声を収録した音源を深層学習技術(ディープラーニング)により学習することで、その歌手独特の癖やニュアンスを含んだ歌声を作成することができる。「VOCALOID:AI™」の公開および実用化は「あれから」が初となる。


【リリース情報】
NHK DVD「よみがえる美空ひばり」
発売日:2020年12月23日 COBA-7208 価格:¥4,400(税込)
URL : http://columbia.jp/artist-info/hibari/
※特典映像:「あれから」CGフルバージョン(AIひばり)
※2019年12月17日NHK総合で放送された番組を収録。
※AI美空ひばりが出場した第70回NHK紅白歌合戦の映像は収録されていない


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ロボスタ編集部

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