ヴイストンがRaspberry PiとLiDARを標準搭載した学習用小型ロボット「ライトローバー」出荷開始

ヴイストン株式会社はLiDAR搭載の学習用小型ロボット「ライトローバー」を2021年2月26日に出荷開始したことを発表した。

ライトローバーは卓上サイズの扱いやすい台車ロボット筐体に、Raspberry Pi 4 Model B(RAM容量4GB版)と小型のLiDAR(LRF)を搭載した学習用ロボット教材。160mm四方の投影面積に収まる小型サイズのロボットでありながらLiDAR(LRF)を搭載し、SLAMの実行など、現代的な台車ロボット制御を卓上で手軽に学習することができる。
定価で5万円を切る低価格であることも大きな特徴で、高度なロボット学習をこれまで以上に身近なものとする教材となっている。ROSの学習を手軽に進めることができるサンプルプログラムも付属し、台車ロボット制御の初学者でも基本レベルから学習を進めていくことが可能。価格は45,000円(税抜)で、ヴイストンの公式Webショップにて購入できる。


Raspberry Pi 4 Model BとLiDAR(LRF)を標準搭載

ライトローバーには小型の筐体ながら、RAM容量4GB版のRaspberry Pi 4 Model Bと小型のLiDAR(LRF)が標準搭載されている。現代的な台車ロボットの自律制御においては、以前にも増して演算能力が求められているが、Raspberry Pi 4はそのニーズに十分に応えるプロセッシングスピードを提供する。LiDAR(LRF)は昨今のスマートフォンや家電機器などにも搭載が進んでおり、高度化するロボティクス制御においては今後ますます重要性が増すデバイスであると考えられる。これらのキーデバイスをコンパクトにパッケージした同製品は、自律制御の学習教材としてはもちろん、単純な台車制御という枠に留まらない全く新しいコンピューティングデバイスの創出にも繋がる、優れた教材となっている。


小型のLiDAR(LRF)を標準搭載



エンコーダーによる速度制御を実現

ライトローバーに搭載される2つの駆動用モーターには標準でエンコーダーが搭載され、回転量を正確に取得することが可能。モーター回転量を元にしたPID制御による速度制御などを行えるほか、オドメトリ情報に変換し、SLAMや自律走行を実行するなど、様々なアプリケーションの学習および開発が可能。また、モーターの制御基板として「VS-WRC201」を新規開発し、エンコーダーからの出力値をRaspberry Pi 4に入力すると共に、効率の良いモーター回転制御を実現している。


モバイルバッテリーなどからの給電が可能

同製品では標準の電源として単3ニッケル水素充電池を4本使用するが、給電口となるモーター制御基板VS-WRC201の電源コネクターには汎用のUSB micro B端子を採用。これにより、標準の電源以外にも、市販のモバイルバッテリーやACアダプターを接続することが可能。この工夫により長時間の稼働が前提となる開発行程ではACアダプターを使用し、実際にロボットを動作させる場合には単3ニッケル水素充電池やモバイルバッテリーを使用するなど、場面・目的に合わせた給電方法を柔軟に選択できる(製品には単3ニッケル水素充電池やモバイルバッテリー、ACアダプターなどは付属しない)。


学習に必要なサンプルプログラムを付属

ライトローバーにはROSの学習を手軽に進めることができるサンプルプログラムが付属する。サンプルプログラムをベースにROS経由でSLAMなどが実行できるので、台車ロボット制御の初学者でも基本レベルから学習を進めていくことが可能。学習をよりスムーズにするドキュメント類についても、標準で付属すつ。

■構成図

【本体仕様】

サイズ W160×D150×H116.8(mm)
本体重量 約516g(バッテリー含まず)
本体材質 アルミニウム
バッテリー 単3ニッケル水素充電池×4
駆動方式 二輪駆動、後部ボールキャスター×1
タイヤ直径 駆動輪:60mm、ボールキャスター:17.5mm
モーター DCモーター×2
回転検出 エンコーダー
最高速度(実測値) 0.6m/s(数値は開発時の実測で、路面状況などにより異なる)
制御基板 Raspberry Pi 4 Model B(RAM容量4GB版)
VS-WRC201
インターフェース USBシリアル、Wi-Fi、Bluetooth、I2C(製品にはRaspberry Pi用のmicroSDカードは付属しない)
価格 45,000円(税抜)
販売サイト https://www.vstone.co.jp/products/lightrover/



ライトローバ関連動画

【ライトローバー使い方解説】#1 必要機材とOSイメージの書き込み



【ライトローバー使い方解説】#2 OSの初期設定とVNCの導入

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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