【南紀白浜IoTおもてなしサービス実証】新たにNECの「混雑度表示デジタルサイネージ」と「顔認証を用いた電子クーポン」を導入

新型コロナウイルス感染症拡大が人々の暮らしや経済活動に大きな影響を与え、従来とは異なる価値観・社会に対応したスタイルへの変革が進んでいる。

南紀白浜エリアは観光産業が地域経済の重要な柱のひとつであり、感染拡大により減少した観光客を呼び戻すためにも、持続可能かつ安心・安全な観光地づくりを地域課題として挙げており、また、地域活性化を目的としてデータを地域事業者間で利活用する仕組みや、観光客ごとにパーソナライズされた旅行体験を実現する仕組みが求められている。

日本電気株式会社(NEC)と株式会社南紀白浜エアポートは、2019年1月から「IoTおもてなしサービス実証」を行っており、これまで同実証にて顔認証やIoTなどを活用して、観光客の利便性を向上させ、南紀白浜エリアでのおもてなしサービスによる地域経済の発展に貢献してきた。

2021年3月26日、両社は、顔認証を活用した同実証の一環として、混雑度状況をリアルタイムに表示する「混雑度表示デジタルサイネージ」と、顔認証決済と連携した電子クーポンを新たに導入し、2021年3月から観光客向けの各種サービスを順次開始、同時に、同実証の期間を2022年3月31日まで延長したことを発表した。なお、これらの取り組みは、NECが和歌山県の先駆的産業技術研究開発支援補助金事業に応募して採択され、実施するものだ。



新たに導入するサービスについて

今回、新たな地域課題の解決に貢献するために「混雑度表示デジタルサイネージ」「電子クーポン」を導入する。また、同実証で取得した観光データは個人特定できないように統計化した上で、NECが分析し、観光客の属性に応じた周遊施策を検討するとのことだ。


混雑度表示デジタルサイネージ」の導入(2021年3月31日から)

NECの「施設IoT・混雑状況可視化サービス」を活用し、施設内の混雑度状況を表示する「混雑度表示デジタルサイネージ」を南紀白浜空港、アドベンチャーワールド、ホテルシーモアの3施設6か所に設置。「混雑度表示デジタルサイネージ」には、施設内に設置されたカメラで取得した映像を個人特定せずに解析し、10メートル四方の人口密度を計算して3段階で可視化された混雑状況を表示することができる。また、2021年4月からはスマートフォンでも手軽に各施設の混雑度を確認できるようになる。観光客は離れた場所からでもスマートフォンで混雑状況を把握できるため、混雑を回避するなどの安全対策をとることが可能だ。

スマートフォンで混雑度を確認する流れ



電子クーポンの導入(2021年中に開始予定)

すでに顔認証決済に対応している店舗の一部を対象として顔認証を用いた電子クーポンを導入する。具体的には、以前から販売されていた紙クーポンをデジタル化し顔情報と連携することで、顔認証により電子クーポンを利用できるようになる。これにより、観光客は様々な店舗で、手ぶらで簡単にお得なサービスを受けることが可能になり、個々の観光客に一貫した旅行体験を提供することができる。

電子クーポン利用の流れ



■【動画】顔認証を活用したおもてなしによる地域活性化 ~南紀白浜 便利で快適な旅行体験~ [NEC公式](2019/11/21公開)

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ロボスタ編集部

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