NEXCO西日本 高速道路の異常をAIが監視、渋滞や所要時間の情報提供等にもカメラ画像処理技術を活用して半自動化

西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)は、道路管制センターにおいて、道路情報を24時間体制で収集・提供し、常に交通の安全確保に努めており、2021年4月より、新たにAI画像処理技術を活用した道路情報の収集・提供に取り組むことを発表した。

従来は、管制センターのスタッフが手動でカメラを選択し映像を目視確認していたが、今回の取り組みでは、カメラ映像を画像処理してAIが異常(車両停止など)を検出し、スタッフに通知。これにより、従来よりも迅速な道路情報の収集・提供を目指すというもの。


道路情報収集と提供の流れ開始箇所について

従来、道路管制センターでは、利用者からの通報などを受け、カメラ映像を目視確認することで事故や落下物などの異常事象を認知し、道路情報板やハイウェイラジオ等を通して利用者へ提供すると同時に、車両感知器やプローブデータにより渋滞を自動検知し、渋滞長や所要時間情報も提供していた。今回、これまで通報や手動でのカメラ確認など人の手に頼っていた異常事象の検知を、新たにAI画像処理技術を活用して自動化することとなった。検知結果を人間がチェックする仕組みとすることで、情報提供の半自動化を行う。

道路情報収集・提供の流れ



画像処理システムの運用方法
1 道路上に設置されている既設カメラ映像を、「AI画像処理装置」に接続し、画像処理を行う。車両停止、落下物、渋滞を検知した場合、道路管制センターのスタッフに通知。
2 管制センターのスタッフが実際のカメラ映像と通知内容を比較し、道路情報板の表示等に反映。
3 通知内容とカメラ映像の確認結果に差異があった場合には、AI画像処理装置にフィードバックされ再学習する。
4 先行地区での運用期間中に、様々な環境条件(天候や昼夜間による違い)での検知を行い、継続的に学習することで、精度向上を図るとともに、本格的な展開に向けた運用上の課題を抽出。



先行運用開始箇所

システム構成


今後の展開

同社は、4月からの運用開始とあわせて、検知可能な事象の拡大(低速走行・蛇行・逆走など)や環境条件に応じた設定の最適化などを検討し、随時他区間への展開を進めていき、今後も適切な情報収集・提供に努めていくと述べている。

運用工程

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ロボスタ編集部

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