新入学、新社会人、生活が変わる春は携帯電話の買い換えの最盛のタイミングでもある。携帯電話3社が新しいプランを発表したこともあり、テレビではCM合戦も展開されている。格安会社を含めて、携帯電話のCMは果たして、どこが一番放映されているのだろうか。
SMN株式会社のグループ会社である株式会社ゼータ・ブリッジは、2021年3月度の全国地上波25局、BS放送6局にて放送されたテレビCMの放送回数を調査、集計結果を同年4月8日に発表した。
同調査によると、3月度のランキングでは、商品別・エリア別ともに、大手携帯キャリア3社と格安SIM・スマホ取り扱い企業の出稿が目立った。また、商品別ランキング1位はワイモバイル「Y!mobile」となり、放送回数は2位よりも約2000回上回る6429回であった。
なお、同調査・集計は、同社がソニーと共同開発したテレビCMメタデータ生成システムで全国主要都市の放送をリアルタイムで解析し、テレビCMの放送履歴データを生成したものを用いている。
同システムは約20年間の運用実績があり、約10万件以上のCMメタデータと5000万件以上の過去放送履歴データが蓄積されている。即時性の高いデータは、Web広告の掲出トリガーとしても活用されており、マスメディアとインターネット広告の架け橋としても利用できる。日々大量に蓄積されるデータは、自社CMの放送確認や競合他社の出稿状況調査、Web広告や購買データ、スマートテレビから取得できる視聴ログデータなどのビッグデータとかけ合わせたクロスメディアのマーケティング分析にも活用されている。
テレビCM放送回数2021年3月度の概要
今回注目すべきは、大手携帯キャリア3社と格安SIM・スマホ取り扱い企業で、TOP20の中に7つのクリエイティブがランクイン。格安SIM・スマホ取り扱い企業のワイモバイル「Y!mobile」が1位、UQコミュニケーションズ「UQ mobile」が2位と大手携帯キャリア3社よりの放送回数を上回る結果だ。大手携帯キャリアは、ソフトバンクが7位「LINEMO」と18位「SoftBank学割」、NTTドコモが17位「ahamo」と19位「ドコモのロング学割」、KDDIが20位「povo」であった。クリエイティブの内容は、3社共通してお得な料金プランについてとなっている。
4位と10位にランクインした「超PayPay祭」(CM出稿企業:PayPayとヤフーの2社)に関して、クリエイティブは、ポイント還元やプレゼントなどを紹介するPayPayのバージョンとヤフーとLINEの統合記念キャンペーンのように出稿企業により異なったが、2社合計の「超PayPay祭」の放送回数は7000回以上となり、3月度のテレビCMの世界ではとても目立つ結果となった。
その他、3つのクリエイティブがランクインした企業がリクルートグループだ。その中でも、16位のリクルートスタッフィングは、在宅勤務やオンライン研修などコロナ禍の日常を反映したクリエイティブになっており、これからの働き方や自分らしい時間の使い方を表現していた。
2021年3月度 エリア別テレビCM放送回数ランキング
商品別テレビCM放送回数ランキングも商品別と同じ傾向が見られ、3月度テレビCMの世界は、エリア差の少ない結果となった。
▼ 調査概要
調査期間 | 2021月3月1日~3月31日 |
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対象 | 全国地上波25局、BS放送6局 |
調査方法 | 動画認識エンジンを活用したテレビCM自動認識システムにて取得した放送履歴情報を基に調査 |
SMN株式会社と株式会社ゼータ・ブリッジについて
ソニーグループで培った技術力をベースに、マーケティングテクノロジー事業を展開しているSMN株式会社は、ビッグデータ処理と人工知能のテクノロジーを連携し進化を続けている。現在、DSP「Logicad」、マーケティングAIプラットフォーム「VALIS-Cockpit」、実店舗事業者向けマーケティングプラットフォーム「Marketing Touch」のほか、テレビ視聴データ広告配信サービス「TVBridge」を新たに提供するなど、マーケティングに関する様々な課題解決を実現している。
2001年10月に設立した、SMNのグループ会社である株式会社ゼータ・ブリッジは、要素技術の積み上げではなく、「目、耳など五感から得た情報を人間の脳がいかに処理し、そして感じているか?」を原点とした様々なアルゴリズムを独自に開発。人間の感性を超える認識テクノロジーを得意としており、テレビCMメタデータ販売、音声・画像認識エンジンを利用したサービスを提供している。