京大図書館などで「LiDARネットワーク基盤」の社会実験 京都大学やガイアックスらが開発

株式会社ガイアックスは芝浦工業大学 新熊亮一教授、国立大学法人京都大学らと、ブロックチェーンを活用したLiDARネットワーク基盤のシステムソフトウェアを開発し、2021年4月1日より京大図書館等での社会実験を開始したことを発表した。

同基盤は複数の場所に設置されたイメージセンサのデータを統合することで「死角ゼロ」を実現し、自動運転車や宅配ロボット、警備ドローンなどのさらなる性能向上や、イメージデータの新たな利用用途の創造を目的としている。社会実験では実地のデータを取得・共有し、AIの学習を進め、2023年3月までの産業化を目指し、基盤技術のいっそうの改善を行っていくとしている。


自動運転&スマートシティ実現の要となる基盤技術を確立へ

今回開発をおこなっている基盤技術は国立研究開発法人科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業「さきがけ」による研究成果として生み出された。社会実験は国立研究開発法人 情報通信研究機構の委託研究「データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)」の一環として実施される。


同基盤は複数のイメージセンサ(LiDARやカメラ)から取得したデータを統合した広範囲に渡るデータをブロックチェーンによってリアルタイムに保護した状態で共有できるようにし、AIによる予測検知や自律制御のためのデータ共有などへ応用可能にしたもの。屋外では自動車や、ロボット、ドローンの自律移動における制御への応用、屋内では犯罪・事故・三密の予測検知への応用が期待される。開発は主に京大、株式会社エクサウィザーズ(東京都港区)、ガイアックスによるもので、2020年3月まで研究室レベルの開発が行われた。


同基盤で扱う、AIへの学習データや、事故予測といった、改ざんが発生すると事故につながる領域においては、ブロックチェーンを使いリアルタイムにデータの正しさを担保することによって、改ざん耐性を持たせている。また、一般的にブロックチェーンはリアルタイムな処理について苦手としているが、独自のアグリゲーション技術を開発し、最小限の遅延で改ざん耐性をもたせることの実現を目指す。今後の社会実験では、エリアを増やしながら、データの利活用の検討から産業化へ向けて、産学共同での研究・開発を進めていくという。

【社会実験 概要】

実施場所 ・京都大学桂図書館(京都市西京区)
・京都リサーチパーク地区(京都市下京区)
・百万遍交差点北(京都市左京区 エクサウィザーズ京都オフィス前)
実施時期 2021年4月から2022年3月
実施内容 これまでに開発してきたシステムを稼働させ、実地での複数LiDARを用いた3Dイメージデータの取得ならびにそれらを統合したネットワーク基盤の構築し、実環境での稼働実験を実施する。
実施目的 ・京都大学桂図書館
三密の検知

・京都リサーチパーク地区・百万遍交差点北
交通事故のリスク予測



コメント

・芝浦工業大学 新熊亮一教授コメント

スマートシティは、研究者やエンジニアなどすべてのものづくりに携わる人々にとってチャンスです。携帯電話がスマートフォンにトランスフォーメーションしたことで何が起きたかを思い出していただくとよいとおもいます。様々なサービスをプロトタイピングしトライアルするチャンスが多くの人々に開かれました。スマートシティでは実空間を舞台として同様のチャンスが開かれます。研究成果や技術が人々を豊かにする社会作りに貢献すべく、分野横断の産学官連携によるオープンイノベーションを推進して参ります。

・ガイアックス 峯荒夢 氏コメント

IoTとブロックチェーンの組み合わせは相性がいいと言われています。IoT機器に接続されたセンサーが収集したデータを5G技術を通じてリアルタイムにクラウドへ保存し、データの管理をブロックチェーンでおこなうことにより、データの真正性を担保しながら、データへのアクセス権の管理もおこなうといった用途での活用が期待されています。またクラウドに保存されたデータを用いて、AIによる学習をおこない、その学習結果を自動運転や各種検知に活用することができます。
本開発を通じて、そのIoTにおけるユースケースの一つの解を作っていくとともに、ブロックチェーンの課題としていた「高速での書き込みができない」という問題の解決に挑戦しながら、将来的にはスマートシティにおいても重要な役割を持つシェアリングエコノミーへ本技術を活用していきたいと考えています。

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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