温度管理を自動化する「ACALA MESH」の導入効果 活美登利社内で調査 85%が「導入前と比べて業務が軽減された」と回答

温度管理を自動化するシステムの開発・提供を行うタイムマシーン株式会社と東京を中心とした関東とハワイ・ホノルルに回転寿司店を構える株式会社活美登利は、食品衛生法の改正により2021年6月1日から義務化となったHACCPに対応するIoTセンサを用いた温度の自動記録・遠隔監視システム「ACALA MESH」(アカラメッシュ)の導入による効果について活美登利社内にてアンケート調査を実施し、システム導入による「衛生管理レベルの向上」と「労務軽減効果」の実態を発表した。


IoTシステム導入で品質向上と労務軽減を実現

「ACALA MESH」(アカラメッシュ)はIoTセンサにより温度や湿度を自動計測できるシステム。従来は担当者が手書きで行っていた作業をゼロにできるだけでなく、温度異常が発生した際にはアラート発報するなど温度管理の不備による食品ロスを回避できる。

<ACALA MESHの特徴>
・電波干渉などが問題となるWiFi等とは異なる高信頼性のメッシュ型無線通信技術を利用
・温度センサは衛生面に配慮した防水仕様で、次亜塩素酸ナトリウム等による洗浄も可能
・食材保管庫の温度だけでなく、加熱殺菌槽などの水温も遠隔監視・自動記録
・HACCPにおいて必須のセンサの温度校正にも対応

調査ではシステム導入により従業員の85%が「導入前と比べて業務が軽減された」と回答。また70%が「食材の保管状態や衛生管理レベルが向上した」と回答した。具体的には「冷蔵庫の故障」「電源の入れ忘れ」「扉の開けっ放し」などに速やかに対応できた、といったシステムによる異常検知機能の効果を実感、また夜間に異常が発生した場合でも翌朝に過去データを遡って確認できるため、迅速にその後の対応を取ることができる、といった意見あった。

さらには、「冷蔵庫の温度を適切に保てるようになった」「比較的温度の高いネタ用ケースの利用を短くするようになった」「扉の開閉を急ぐようになった」「営業中、常に温度を意識するようになった」など、システムによる実態温度の見える化による、従業員の大きな意識変化が見られたという。

冷蔵庫内の温度センサ/調査結果の一部
活美登利 衛生管理担当 佐藤氏コメント
 ACALA MESHは、治験薬、ワクチン、検査薬など医薬品の保管庫を有する医療施設や、食中毒対策でウイルスや菌の増殖をコントロールする必要がある、主に食品工場や物流倉庫で広く利用されてきたシステムですが、飲食店等の厨房では、システムによる温度監視と記録の自動化はまだまだ広まっていませんでした。当社ではHACCP義務化を見据えて1年以上前からACALA MESHを導入、緊急事態宣言で一時的に閉店中の店舗においても遠隔監視を実現するなど有効活用をして参りました。

今回の調査で導入効果がもっとも顕著に現れたのは、データの見える化による従業員の意識変化だと感じております。この意識変化は日々の業務改善にも繋がっており、事実、アンケート調査とは別にシステムに蓄積されたデータを分析した所、直近の2021年4月において、温度異常が発生した冷蔵庫・冷凍庫の台数は前年同月比で3分の1以下に減少しておりました。これはシステムによる温度の見える化や異常時の警告により、適切な庫内温度に保たれている冷蔵庫・冷凍庫が増加していることを意味します。現在も一時的な温度上昇が時折はあるものの、異常を素早く検知して、速やかに対処ができるようになっております。また各店舗の温度記録を手書きで行っていた頃は毎日1店舗あたり1時間近い時間を温度記録に要していました。手書きの記録を管理する項数も含めると、システム導入により大幅な労務軽減が実現できたと考えております。


6月1日から義務化となった「HACCP」(ハサップ)とは

「HACCP」は「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の5つの単語の頭文字に由来する衛生管理の手法で、WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)が合同で運営している食品規格委員会によって発表された国際的に認められている管理基準。日本でも2021年6月から義務化された。

HACCPにおいて食中毒などを発生させないための最も重要な要素の一つが食品の温度管理だが、食品製造現場では以前から人材不足や労務改善が課題となっており、このような環境下においてHACCPに対応することは、現場のさらなる業務負担は必至。タイムマシーンが提供するIoTセンサによる温度の遠隔監視・自動記録システムのACALA MESHは、現場の労務軽減および、人手に寄らない(改ざん不可で)信頼度の高いデータ収集を可能とするため、ここへきて急速に導入が拡大している。


タイムマシーン株式会社について

タイムマシーン株式会社は東京大学の門前に日本で最初の調剤薬局として存在する水野薬局のグループ会社として薬局を始めとする医薬品業界向けのシステム開発会社として創業。2016年には薬局事業を日本調剤に売却。主力サービスのACALA MESHは医薬品の温度管理を自動化するシステムとして開発。信頼性の高いメッシュ型無線通信技術「SmartMesh IP」を応用し、病院などの医療施設における医薬品の温度管理ソリューションとして、また2016年からは食品事業者にもターゲットを広げSaaSとして提供している。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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