歩道を走れるスクーターをWHILLが新発売 「人生100年時代」のシニア向けモビリティ市場を開拓
警察庁『運転免許統計』によると免許返納件数は年間60万件に上っている。その一方、その後の移動手段に挙がるシニア向け電動アシスト自転車やシニアカーの流通台数は計16万台弱にとどまっており、シニア向けモビリティ市場は限定的だ。
高齢化の加速に伴い、今後移動手段のニーズが一層高まることが予想される中、創業当初から近距離、特に歩行領域の移動をカバーするプロダクトとサービスを展開するWHILL株式会社は、「敬老の日」に先立つ2022年9月13日(火)より、歩道を走れるスクーター「WHILL Model S」の先行受注を開始することを発表した。
同社は、免許返納後などの移動手段の選択肢とされる電動アシスト自転車やシニアカーではこれまで満たせなかったニーズを反映させたスクータータイプの近距離モビリティとして、年齢を重ねても自分らしく過ごしたいとの意識が強まる「人生100年時代」の超高齢化社会において、より快適で自由な外出機会の創出と意欲の促進を図ると述べている。
■【動画】歩道を走れるスクーター、WHILL Model S のある生活
また、より便利で安心な移動を後押しするため、利用者本人と家族が外出情報を共有したり、機体の位置や状態を確認したりできるIoTサービス提供アプリ「WHILL Family App」も開発。保険やロードサービスなどがセットの既存サービスと一緒にしたModel Sだけのプレミアムなサービス「WHILL Premium Care」として、2023年1月以降開始予定だ。
高齢者の3人に1人が「車の代わりになる移動手段が少ないと感じる」
同社は、2022年8月に、免許を免許を返納した70〜80代男女、免許返納後の親をもつ男女、各100名を対象にオンライン調査を実施。これによると、3人に1人が「車の代わりになる移動手段が少ないと感じる」と回答している。また、既存の移動手段を選ばない理由として多く挙がるのは、電動アシスト自転車だと「バランスが取りづらく、ふらついてしまう」「体力的にしんどい」、シニアカーだと「昔ながらの見た目で、積極的に乗りたいものではない」「自分向けの乗り物ではない」などであった。他にも、2019年以降に免許返納した70歳以上男女(100ss/全国 オンライン調査)を対象に、同年2月に実施したアンケートを通じ、こうした移動手段を選ばずに「免許返納前に比べて全体的に外出頻度が下がっていると思う」と感じる人が多くいることもわかっている。
同時に、免許を返納した親をもつ男女に聞いた調査では、親のその後の生活や身体状況を気にする人が多く、7割近くが「親の足腰が弱ってきて心配」「親には外出をしてほしいが、一人での外出はそれはそれで心配」と回答した。また、約8割が「親にはいつまでも元気に暮らしてほしい」と答えるなど、親の元気や健康に繋がる商品やサービスを積極的に勧めたい家族も多いことがみえ、実際、2022年5月13日の改正道交法(一定の違反歴がある高齢ドライバーを対象に運転技能検査が義務化)を境に、家族からの申込み含めWHILL社への試乗予約件数は前期比(2/13~5/12 対 5/13~8/12)で3倍に増加している。
WHILL社 代表取締役社長 CEO 杉江理 氏
電動アシスト自転車よりバランスが取れて安定し、シニアカーより仰々しくなくシンプルなデザインといった特徴を兼ね備えたWHILL Model Sは、お客様の声を拾い上げ形にした、これまでになかった歩道を走れるスクーターです。シニア向けの移動手段の選択肢が少なかった中で、新たな定番になることと信じています。WHILL社は創業当初から、近距離モビリティWHILLと関連サービスの展開を通じ、歩行領域のモビリティ市場を創造してきました。Model C2、Model F、そして近距離移動の『私の新しいスタンダード』を担うModel Sの3ラインアップと付随サービスで、これからも世界中で『すべての人の移動を楽しくスマートにする』ことを目指してまいります。
「WHILL Model S」の概要
「WHILL Model S」は時速6km以下で走行する近距離モビリティだ。電動アシスト自転車よりも安定した走行性能と、シニアカーよりも日常に馴染みやすいシンプルなデザイン性を併せ持つスクーター型モデルとなっており、歩道を安定して長く走ることができるため、高齢化社会において免許返納後も心地よく走れるクルマや自転車の代わり、長距離を歩くとなると疲れてしまう人の移動手段として、既存の移動手段では拾いきれなかった顧客ニーズを形にしている。操作はシンプルで、レバーを握れば前進/後進、手を離せばその場でブレーキがかかり停止する仕組みだ。直感的で分かりやすい、かつ滑らかな操作性でありながら、操作部には自動車に馴染みがあるアイコンを採用し、運転の楽しさを演出している。価格は21万8,000円〜(非課税、送料調整費別)で、カラーは全4色から選択可能となっている。
■【動画】WHILL Model S「乗車と操作方法」
航続距離 | 33km |
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最高速度 | 前進:6km/h、後進:2km/h |
段差乗り越え | 7.5cm |
登坂能力 | 10度 |
最小回転半径 | 148cm |
サイズ | 119cm×55.3cm×92cm(全長×全幅×全高) |
重さ | 63kg(バッテリー込) |
充電時間 | 標準充電器:9時間40分、急速充電器:6時間40分 |
バッテリー | 鉛電池(24V、12A×2) |
耐荷重 | 100kg |
タイヤ | ノンパンクタイヤ |
使用環境 | -15℃〜40℃ |
シート | 高さ調整:3段階、前後調整:2段階 |
先行受注開始
9月13日より、同社ECサイトと電話、WHILLを取り扱う全国の自動車ディーラー、サイクルベースあさひ他で一斉に先行受注が開始される。また、検討や相談をしやすくするため、一足早く、有楽町マルイやミライロハウス(丸井錦糸町 5F)、宮城三菱自動車(日の出町店)、ホンダカーズ川越(川越中央店)、ホンダカーズ岐阜(岐南店)、大阪マツダ(本社営業所)、九州三菱自動車(福岡本店)など全国20店舗を皮切りにWHILL Model Sを試乗できる体制を整えている。なお、実機配備のタイミングは店舗により異なる。また、試乗可能店舗は随時増えていく予定だ。
▼【試乗会開催】
・有楽町マルイ 2F:2022年9月16日(金)~19日(敬老の日)、(日〜25日(日)
・ミライロハウス(丸井錦糸町店 5F):9月16日(金)〜18日(日)
・ホンダカーズ岐阜(みんなの森 ぎふメディアコスモス):9月17日(土)
WHILL Premium Care 概要
同社はまた、本人と家族により安心かつ快適な移動体験を提供するため、Model Sだけのプレミアムなサービスとして「WHILL Premium Care」を開発した。保険やロードサービス、メディカルアシストがセットになった既存のサポートサービス「WHILL Smart Care」と、本人と家族がスマートフォンのアプリ上で機体の居場所や状態、お出かけ記録などの外出情報を共有できる「WHILL Family App」を一緒にしたもので、26,400円(税込、年間契約)で利用できる。なお、サービスを利用するには、IoTモジュール「WHILL Premium Chip」が搭載された機体を購入する必要があり、納品日ならびにサービス開始は2023年1月以降を予定している。
料金 | 26,400円(税込、年間契約 ※月あたり2,200円) |
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内容 | 「WHILL Smart Care(保険、ロードサービス、メディカルアシスト)」+「WHILL Family App(機体の位置情報の確認、外出履歴の記録、家族への情報通知)」 |
申込み方法 | WEB/電話(0800−080−4338)※通話料無料、平日9〜18時 |
備考 | ※サービス利用には「WHILL Premium Chip(別売 25,000円、非課税)」が搭載された機体をご購入いただく必要があります。 ※WHILL Family Appはアプリストアから2023年1月以降リリース予定 |
WHILL Premium Care サービス詳細ページ:https://whill.inc/jp/whill-smart-care
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