新居浜市の「MaaSシティ」実現に向けて ハートネットワーク、ソフトバンク、MONETが事業者として選定

株式会社ハートネットワーク、ソフトバンク株式会社およびMONET Technologies株式会社(モネ・テクノロジーズ、以下、MONET)の3社は、新居浜市の「MaaSシティ」実現に向けたデジタル化推進業務を受託したことを発表した。今後3社はデマンドタクシー(乗り合いタクシー)や保健福祉MaaS、行政MaaSなどの複数のサービスを展開する「MaaSシティ」を実現することで、新居浜市が抱える地域課題の解決を図る。


「MaaSシティ」の実現で地域課題の解決を図る

新居浜市では市民の高齢化や運転免許証の自主返納が進むことで「マイカーを持たない生活者」や「自宅からの移動が難しい生活者」の増加が予想されており、移動が難しい市民が継続的に保健福祉や行政などのサービスを受けられる環境の構築が重要となっている。そこで新居浜市は将来的な市民の生活環境の維持・向上を目指して、「ヒト・モノ・サービス」の移動を体系的に整備し、地域課題の解決を図ることを目的に、「MaaSシティ」の実現に向けたデジタル化推進業務の委託事業者を公募した。

公募の結果、ハートネットワーク(代表者)、ソフトバンクおよびMONETで構成される、新居浜地域MaaSシティ推進グループが事業者として選定された。


「MaaSシティ」の実現に向けた取り組みについて

ハートネットワーク、ソフトバンクおよびMONETは、新居浜市の「MaaSシティ」の実現に向けて、下記の取り組みを連携して進めていく。

1.オンデマンド配車システムの導入

MONETが提供するオンデマンドモビリティに必要な各種サービスを活用して、新居浜市内の一部の地区で新たにデマンドタクシーを運行する。MONETは配車システムをベースに乗降場所や日時、人数などを指定するだけで簡単に乗車を予約できるユーザー向けのスマホアプリ「MONET」や、予約状況とそれに応じた最適な運行ルートを確認できるドライバー向けのアプリ、車両の稼働状況などを確認できる管理者向けのシステムなどを提供する。また、運行データなどを収集・分析できるツールを提供することで、市民の移動に関する需要を把握し、交通サービスの効率化や利便性の向上を支援する。


2.MaaSシティ事業の推進・管理

オンデマンド配車システムの導入に伴って、利用者から電話予約を受け付ける窓口(コールセンター)をハートネットワークが設置する。また、MONETは「マルチタスク車両」やICT(情報通信技術)などを活用して、車内で保健指導や健康相談などのサービスを提供する保健福祉MaaSや、行政サービスを提供する行政MaaSを展開する。

保健福祉MaaSでは車内からテレビ会議システムを通して、保健師や管理栄養士などの複数人の専門職に同時に健康相談ができるサービスや保健福祉に関する各種申請をサポートするサービスなどを提供する予定。

行政MaaSではマイナンバーカードの申請受け付けや住民票などの証明書の発行、期日前投票の受け付けなどを車内で行う予定。なお、2022年11月に行われた愛媛県知事選挙では「マルチタスク車両」を活用した移動式の期日前投票所が新居浜市内で試験的に開設された。


3.MaaSシティプラットフォームの構築

ソフトバンクとハートネットワークが中心となり、新居浜市のLINE公式アカウントを基盤として、市民にとって便利な情報の提供や各種システムとの連携を進める。例えばデマンドタクシーの情報を掲載したウェブページや、電車や路線バスの運行情報のページにLINE公式アカウントの画面からスムーズに遷移できるようにする。また、徒歩も一つの移動手段と考え、健康増進施策のページとの連携も進める予定。

行政MaaSと保健福祉MaaSで活用する車両(左から行政MaaSの車両、保健福祉MaaSの車両)

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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