日立とNVIDIAが協業 フィジカルAIの統合制御で現場全体の自律化とHMAXの進化へ

日立とNVIDIAが協業 フィジカルAIの統合制御で現場全体の自律化とHMAXの進化へ

株式会社日立製作所は、NVIDIAとの協業のもと、日立のAIで社会インフラを革新するソリューション群「HMAX by Hitachi」(以下、HMAX)のスケール化と進化に向け、製造現場や社会インフラ運用の自律化を加速するマルチエージェントオーケストレーション技術を開発する。

ベンダーフリーな相互接続と、企業の情報資産を保護するソブリン性を両立させたフィジカルAIの社会実装を進めることが狙いだ。

現場全体をベンダーフリーで最適化

今回の協業では、日立のプロダクトだけでなく、顧客の現場で稼働する多様な既存設備や異なるメーカーの機器も含めて、トータルに連動させる仕組みをつくる。日立以外のメーカーの設備・機器やシステムも統合的に連動・制御することで、現場全体の最適化と自律化を実現するモデルを、エコシステムに参画する顧客やNVIDIAとともに創出していく。

具体的には、日立の社会インフラ知能基盤モデル「IWIM(Integrated World Infrastructure Model)」を知識・推論基盤として活用し、NVIDIA Agent Toolkit、NVIDIA NemoClaw/OpenShellセキュアランタイム、オープンソースのNVIDIA Nemotronモデルと連携する。これにより、ミッションクリティカルな環境でも複数のAIエージェントを安全かつセキュアに統合制御できる「マルチエージェントオーケストレーションプラットフォーム」の構築を目指す。

デジタルツインで事前検証、Cosmos Coalitionにも参画

この基盤による制御を物理世界で安全に自律稼働させるため、IWIMとNVIDIAの世界基盤モデル「NVIDIA Cosmos」を接続し、デジタルツイン上で高精度かつ安心・安全な事前検証環境を構築する。日立はNVIDIA Cosmos Coalitionへの参画を通じて、現場で培ったドメイン知識やシミュレーション技術を組み合わせ、フィジカルAIによる設備・機器の自律制御をデジタルツイン上で事前検証できるようにするとしている。

今後は、マルチエージェントオーケストレーションプラットフォームとデジタルツイン上の事前検証環境を核に、グローバルでのフィジカルAIエコシステムを構築する方針だ。

ロボット・モビリティ・エネルギー・産業設備業界をはじめとする多様な顧客・パートナーの参画を得て、業界横断的なエコシステムの形成を推進する。すでに産業用ロボット領域のグローバルリーダー企業を含む複数社と、エコシステムへの参画に向けた協議を開始しているという。

Physical AI FDEが社会実装を伴走

技術検証と現場のデジタル変革を支えるため、日立の米国子会社GlobalLogicの高度なデジタルエンジニアリング力と、日立のOT(制御・運用技術)ノウハウを結集した「Physical AI FDE(Forward Deployed Engineer)」が伴走し、ユースケース検討やソリューション構築を推進する。本技術検証で確立する基盤や、Physical AI FDEの伴走を通じて創出されるソリューションは、HMAXの継続的な強化に生かしていくとしている。

近年、現場の自律的な判断と物理アクションを融合するフィジカルAIへの期待が高まる一方、多様なAgentic AIや異種のロボット・設備をシームレスに接続し統合的に制御する技術が不可欠になっている。日立はこれまでNVIDIAのグローバルシステムインテグレーター(GSI)プログラムへの参画や、NVIDIAリファレンスアーキテクチャに基づくAI Factoryの構築などを通じてNVIDIAとの協業を強化してきた。今回の技術開発は、こうした実績を土台に、オープンな相互接続性と自社のドメインナレッジを保護するソブリン性を両立させることを狙ったものだ。


ロボスタオンラインセミナー情報

ロボットの世界大会「ロボカップ」にもヒューマノイド・フィジカルAIの波

ヒューマノイドとフィジカルAIで変革期を迎える「ロボカップ」の現状を解説するセミナー「ロボカップはヒューマノイド・フィジカルAI時代へ 世界大会2026が示すロボット競技の変革と新潮流」を開催します。

【セミナー】ロボカップはヒューマノイド・フィジカルAI時代へ 世界大会2026が示すロボット競技の変革と新潮流

「2050年までにサッカーのFIFAワールドカップ優勝チームに勝てる完全自律型ヒューマノイドチームを実現する」という壮大な目標を掲げて、ロボット競技の世界大会「ロボカップ」は1997年に日本からスタートしました。サッカーは認識、判断、移動、協調行動などAIとロボティクスの要素技術を総合的に必要とするため、研究開発を加速させる共通課題として選ばれました。

その後、レスキュー、ホーム/サービス、産業応用(インダストリー)などへ分野を拡大し、世界中の研究者や学生が参加するロボット・AI研究の国際プラットフォームへと発展しています。
本セミナーでは、ロボカップ日本委員会理事長であり、東京情報デザイン専門職大学教授の岡田浩之先生をお迎えし、ロボカップの歴史と現在地、ヒューマノイド化が進む背景、各リーグの最新動向、そして日本が直面する課題について解説いただきます。

さらに、韓国で2026年7月に開催される「RoboCup 2026世界大会」の現地レポートとして、写真や動画を交えながら、世界大会の最前線で何が起きているのかをご紹介いただきます。

先着50名様を無料でご招待します。詳しくはこちら

《ロボスタ編集部》

関連タグ

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

ニュースレター配信中!無料会員登録をしていただくと、定期的に配信されるニュースレターを受け取ることができます。また会員限定の記事を閲覧することも可能になります。

編集部おすすめの記事

特集