フィジカルAIによる橋梁塗装自動化の共同研究が国交省SBIR助成に採択 北都鉄工・Tengun-label

フィジカルAIによる橋梁塗装自動化の共同研究が国交省SBIR助成に採択  北都鉄工・Tengun-label
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石川県金沢市に本社を置く大型鋼構造物メーカーの株式会社北都鉄工は2026年7月16日、東京のAIスタートアップ・Tengun-labelとの共同研究「フィジカルAIを用いた国土インフラの塗装自動化システム開発に関する研究」が、国土交通省の「SBIR建設技術研究開発助成制度」(令和8年度・中小・スタートアップ企業タイプ)の研究課題に採択されたと発表した。

同タイプで新規採択された17課題の1つで、交付予定額は700万円。研究代表者は北都鉄工取締役の小池田康徳氏が務める。

老朽化する橋梁と塗装職人の担い手不足

日本の橋梁ストックは急速に老朽化が進み、建設後50年以上を経過する橋梁が今後急増する見込みだ。

腐食損傷の増加や塗り替え待ちの長期化により、鋼橋を中心とした維持管理は深刻さを増している。さらに建設業全体で技能者不足と高齢化が進み、橋梁塗装に必要な熟練技能の継承も難しくなっており、将来的には塗装作業の継続自体が困難になるリスクが指摘されている。

デジタルツインで職人の技を再現し自動化へ

本研究では、近年発展してきたフィジカルAI・デジタルツイン技術を活用し、塗装プロセスを仮想空間上で高精度に再現する。

シミュレーション結果を現実空間に反映させることで、デジタルツイン環境上での塗装ロボットの動作最適化と品質確保を図り、低コスト・短期間での開発と現場適応型の自動塗装の実現を目指す。期待される効果として、塗装計画の策定から施工までのリードタイム短縮、現場での作業期間短縮や手戻りの削減、塗装品質の安定化、そして高所や危険区域での作業における作業者の安全性確保を挙げている。

ものづくり企業とAIスタートアップの連携

1934年創業の北都鉄工は、鋼橋の設計・製造・施工を一貫して担い、橋梁塗装の長寿命化に不可欠な基盤技術を社内に蓄積してきた。共同研究者のTengun-labelは、東京都新宿区に本社を置き、AI・3次元画像処理・センシング・データ解析に特化した技術者集団で、デジタルツイン技術の社会実装や3D点群データの解析を手がけ、NVIDIA Omniverseパートナー企業としてフィジカルAI分野の最新技術情報を有している。橋梁分野の知見を持つものづくり企業と、点群とAIで現実世界を再現する技術者集団の組み合わせにより、現場で実際に稼働する自動化システムの実現を目指すという。

本研究計画は、金沢市委託事業「TENJO KANAZAWA」を通じた地域の企業・大学との対話から生まれた。2025年2月に北都鉄工取締役の小池田康徳氏が地場製造業の交流企画「ものづくりOpenMic」の立ち上げに参画したのを起点に、同年秋にTENJO KANAZAWAが大学や企業を引き合わせる中で「橋梁塗装の自動化」という事業テーマが形になり、Tengun-labelと金沢工業大学が紹介された。2026年1~2月にかけて事業計画を練り上げ、SBIRへの申請に至った。

2026年度は調査・分析、2027年度以降にロボット開発へ

2026年度(令和8年度)のF/S(調査・分析)では、デジタルツイン環境上に塗装作業を再現するモデルを構築する。続く2027~2028年度(令和9~10年度)のR&D(研究開発)では、環境が安定した屋内空間(工場)でのロボットによる自動塗装シミュレーションと、その成果に基づく自律走行ロボットの開発へと展開する計画だ。

今回国交省の助成制度に採択されたのは、2026年度のF/Sにあたる部分となる。


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《ロボスタ編集部》

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