準天頂衛星「みちびき」が11機に増強へ、スマホ等の位置情報がより正確に NECが開発案件の一部を受注

NECは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から「準天頂衛星システム11機体制(第一期)測位ミッションペイロードの開発」を受注したと発表した。
準天頂衛星システム「みちびき」は11機体制へ
本測位ミッションペイロードは、内閣府宇宙開発戦略推進事務局準天頂衛星システム戦略室が整備・運用する準天頂衛星システム「みちびき」に搭載される予定。
準天頂衛星システム「みちびき」における測位ミッションペイロードは、衛星測位サービスを実現するために衛星に搭載されるミッション機器だ。測位信号を生成する機器や距離計測を行う機器、測位信号を地球へ届ける通信機器などで構成されている。
NECは準天頂衛星初号機から一貫してこの測位ミッションペイロードの開発を担当してきた。これまでも世界最高レベルの測位精度を実現する高性能かつ高信頼なシステムを提供してきたが、今後の11機体制実現に向けて新たな技術を搭載する。
具体的には、複数の原子時計を合成することで従来の高安定なシステムをさらに上回る周波数安定度を実現する機能、ソフトウェアによる柔軟な機能構成変更を可能にするデジタル変調制御機能などを搭載し、我が国の衛星測位システムの持続的な発展に貢献する。
4機体制から拡張、測位の安定性や精度の向上に期待
準天頂衛星システム「みちびき」は、日本の衛星測位システムとして2018年から4機体制で運用されており、2026年度から7機体制での運用が開始される予定だ。7機体制が実現すると、常に日本上空に4機の「みちびき」衛星が存在することになり、「みちびき」衛星のみで位置情報を得られる状態になる。
さらに、バックアップ体制を含めた安定した運用の実現と利用可能領域の拡大のため、11機体制に拡充していく計画となっている。まずは3号機後継機および8号機の開発に着手し、寿命を迎える衛星の後継機や追加衛星を整備していく予定だ。
これにより、より多くの衛星からの信号を同時に受信できるようになり、特にビル街や山間部など、衛星からの信号が遮られやすい場所でも、測位の安定性や精度が向上する。また高精度で安定した測位情報が常時利用可能になることで、自動運転の普及と安全性向上やドローン活用分野の拡大など、様々な既存サービスの高度化や新サービスの創出が期待される。
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