東京ビッグサイトで開催中のロボデックスにおいて、NECフィールディングのブースで「モーションフィギュア」が公開された。
キャラクターや動物のフィギュアに心を奪われた経験は誰しもあるとは思うが、モーションフィギュアとはまさに動くフィギュア、ロボットが実現するひとつの世界でもある。
最近では「踊るフィギュア」として一般紙で取り上げられることもあり、モーションフィギュアが会話機能を持てば生活のパートナーして入り込む可能性も感じられるようになってきた。
というのも、モーションフィギュアではないがホログラム技術を使ったコミュニケーションロボット(バーチャルホームロボット)「Gatebox」(逢妻ヒカリ)が、約30万円の価格にも関わらず1ヶ月で300台の注文を集めたことも既報の通り。
バーチャルホームロボットは「おかえり」と言ってくれる存在として注目されていて、ホログラム同様、会話機能付きのモーションフィギュアもこの市場で期待される存在になり得るだろう。
今回展示されたモーションフィギュアの開発元であるスピーシーズは、ホビー分野からスタートしてReal 3D Entertainment 分野にアプリケーションを広げている会社。
展示していたキャラクターでも見事なアニメ風プロポーションを実現している。
「こんなに細い関節に仕込める「サーボモーター」があるの?」と驚く人もいるかもしれないが、サーボモーターは実は身体の中ではなく、足元にあるボックスの中にある。ここからワイヤーを使ってファギュアの関節等に接続し、ワイヤーの巻き取り、繰り出しによってフィギュアに動きを与えている。まさに現代の操り人形ロボットだが、この方式なら物理的なサーボのサイズや機構に大きな制約を受けずにデザインを思考することができる。アニメ風デザインでなく、ゆるキャラのようなデザインも可能だ。
展示は開発中のもので3Dプリンタで作られたもの。フィギュア下のボックスに内蔵された「Raspberry Pi」で構築したシステムが全身34ヶ所の関節動作の制御を行っている。ボーカロイド初音ミクが唱って踊る3DCGムービー製作用フリーウェア「MikuMikuDance(みくみくだんす)」のデータファイルをインポート(読み込んで)して、フィギュアがダンスする機能を持っている。
ソフトウェア開発には、人工知能に心を持たせる技術を開発している株式会社モノゴコロが関わっている。
出展したNECフィールディングは顔認証とトータルプロデュースを担当。同社はモーションフィギュアによるコミュニケーションロボットの実現を模索していて、具体的にはAI+ロボット(フィギュア)+顔認証の技術を使い、指示をするとダンスをしたり、歌を唱ったり、話しかけた言葉に共感したり、返答にあわせた表現を行うことを目指している。
今後は感情移入できるコミュニケーションロボットとして販売を予定していて、一般販売向けのほか、企業のカウンター受付やイベントでの利用も促進していきたい考えだ。
また、等身大のものも開発中で、テーマパークなどの需要も見込んでいる。
■参考動画




