ボッシュ(Bosch)とダイムラー(Daimler)は、NVIDIAの自動運転向けAIコンピュータボード「DRIVE PX PEGASUS」(ドライブPXペガサス)とそのプラットフォームを都市部の自動走行アーキテクチュアに採用する。ボッシュとNVIDIAが本日、正式に発表した。自動運転レベル4とレベル5に該当する技術の実現を目指す。
ボッシュの発表によれば「都市部でのドライバーレスの自動走行は汎用性と冗長性が高く、完全に自動化されたものでなければならない。ボッシュとダイムラーが機械学習の自動運転アルゴリズムを生成し、そのECU(制御コンピュータ)ネットワークは、特に複雑な交通網となる都市部においては、1秒あたり数兆回に及ぶ処理を必要とする」としている。
レベル4やレベル5の自動運転車では、カメラやレーダー、LIDAR、ソナーなど、各種センサー等によって収集されたデータを瞬時に処理する必要がある。ボッシュのビデオ関連センサーだけでも、わずか1kmごとに100GBものデータが生成されると言う。ECUネットワークは、センサ・フュージョンと呼ばれるプロセスにおいて、すべてのセンサから供給されたデータを結合し、わずか20ミリ秒以内にこの情報を解析し、車両の進行すべき範囲やルート、次の瞬間の行動を計画しなければならない。
ロボットタクシーは1マイルあたり17セント?
今回の発表では、ボッシュとダイムラーがいつ頃これを実現するのか、時期は明確にはしていない。また、ボッシュの発表では一般乗用車向けかロボットタクシーに限ったものかなど明確な言及もしていない。NVIDIAの広報も明言はしていないものの、リリースでは都市部でのロボットタクシー導入にフォーカスしているようだ。自動運転のロボットタクシーの普及により、都市部の交通の流れは現在より格段に改善され、高い安全性が実現し、渋滞は緩和、1マイルあたり17セント程度で移動できるようになるのではないかとのアナリストの予想を紹介している。
「DRIVE PX PEGASUS」の性能を評価?
ボッシュとダイムラー、NVIDIAは自動運転技術での連携をこれまでお互い公式に発表してきた。今回、ボッシュがあえてこのような発表を行った背景には、NVIDIAの「DRIVE PX PEGASUS」の処理能力やプラットフォーム技術が、ドライバーレスの自動運転車向けAIコンピュータとして、こうした高精度が求められるシステム環境の中でも耐えうると判断したことを意味するといえるだろう。
「DRIVE PX PEGASUS」はSoCとしてNVIDIAの最新の主力GPU「Xavier」(エグゼビア)2基と、次世代のGPUを2基搭載した4チップ構成。従来の「DRIVE PX 2」と比較すると約16倍の高速処理性能がある。
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