Z Venture Capital株式会社(以下、ZVC)は、ロボット基盤モデル(Robot Foundation Models)の開発を手がけるConfigへの投資を発表した。
ロボティクス界の「GPT-2.5モーメント」
ロボット分野は現在、大規模言語モデルにおいてChatGPT登場前後に起きた転換点と酷似した局面を迎えている。ハードウェアは成熟し、モデルアーキテクチャの設計も固まりつつある一方、決定的に不足しているのが「データ」だ。
テキストや画像と異なり、ロボットの動作データはインターネット上に存在せず、従来は遠隔操作による収集に頼ってきたため、大規模な蓄積が困難だった。
Configは、データ収集からモデル構築までを一気通貫で手がけるプラットフォーム企業として、この課題に正面から取り組む。独自開発の「Action Estimator」は、安価に撮影した人の作業映像を約500マイクロメートル(髪の毛の太さの約10分の1)の精度で視覚・言語・行動データへと変換する技術を持つ。これにより、データ収集コストを大幅に低減することが可能だ。
自己強化する好循環と商業実績
同社が自社で蓄積した10万時間超のデータで学習させた基盤モデル「CFG-1」は、特定のハードウェアに依存せず動作し、すでに収益化を実現している。
データが増えるほどCFG-1は強化され、より多くの企業顧客を呼び込み、さらにデータが集まるという強力な好循環が生まれる構造だ。Physical IntelligenceやCovariantといった世界トップ企業が到達した「データ収集・モデル開発・現場実装の統合保有」を、Configは圧倒的に低いコストで実現している。
既にSamsung、LG、Hyundaiなど韓国を代表する大企業と商業契約を締結し、事業初年度から売上を計上している点も注目に値する。世界最高のロボット導入密度と世界水準の製造業基盤を持つ韓国での実工場データは、海外競合が遠隔から再現できない独自資産となる。
創業チームと市場規模
Configの創業チームは、CEO:Minjoon Seo氏(KAIST・Meta FAIR出身)、CTO:Hyungmok Son氏(ハーバード大学博士・Waymo出身)、Chief Scientist:Kimin Lee氏(KAIST・Google Brain出身、Decision Transformer共著者)、COO:Jack Bang氏(UBS・Glenwood・Socra AI出身)で構成される。
ロボット基盤モデルとデータ基盤の市場はフィジカルAI領域で最も急成長している分野であり、2030年までに年率50%超のペースで拡大し、180億ドル(約2.7兆円)超に達すると見込まれている。