東京大学発のフィジカルAI企業である株式会社commissureは2026年8月28日、製造業やロボット開発企業を対象に、人が行う作業を携帯型デバイスで計測し、ロボット学習や導入検討に使えるデータへ加工する「UMIデータ取得サービス」の提供を開始したと発表した。
UMIデバイスで現場の作業を計測
同サービスは、カメラを備えた手持ち型グリッパー「UMI(Universal Manipulation Interface)」を使い、作業者が普段行っている動作を現場で直接計測する。UMIはStanford University、Columbia University、Toyota Research Instituteの研究チームが2024年に発表した、人の作業デモからデータを収集する研究フレームワークだ。

大型のロボット本体や遠隔操作設備を先に用意する従来のテレオペレーションによるデータ取得と異なり、作業環境や対象物、道具を含む情報を、ロボットを設置する前の段階から収集できる点が特徴となる。commissureが開発する触覚センサを組み合わせることで、時間同期された接触状態も含めた学習データの収集も可能にしている。
計測設計から品質評価まで一貫して支援
支援範囲は、対象作業とデータ利用目的の整理、現場での計測、映像・動作・グリッパー状態の同期、欠損確認、データ加工、品質評価、分析レポートの作成までを含む。
単にデータを取得するだけでなく、対象工程や学習・分析の用途、成功条件、取得回数といった条件を計測前に整理することで、計測後に不足が判明するリスクを抑える設計になっている。
取得した映像や位置・姿勢、グリッパー状態は時刻でそろえたうえで欠損や条件の偏りを確認し、顧客には計測計画・同期済みデータ・品質評価・分析レポートを納品。データ取得後は、学習データの追加加工や挙動生成、ロボット制御、実機検証、受入条件の設計まで個別に対応する。
想定する導入企業と今後の展開
想定する利用者として、既存工程のロボット化に向けて最初に取得すべき作業データを明らかにしたい製造業の生産技術・研究開発部門、顧客現場でのデータ取得と品質確認を実装前の工程として組み込みたいロボットSIerや機器メーカー、実環境の作業データを研究に利用したい大学・研究機関のロボティクス研究チームを挙げている。
commissureCTOの堀江新氏は「フィジカルAIの基盤モデルが高度化していく中で、教示データの品質や多様性がより重要になっている。UMI形式のデバイスはテレオペレーションではデータ取得が難しい現場でも忠実度の高いデータを取得可能で、身体性や触覚の理解に基づく設計思想を反映し、現場に寄り添ったデータ取得を実現していく」とコメントしている。
commissureは今後、同サービスで得た計測・品質評価の知見をもとに作業別のデータ仕様や品質基準、再現手順を整備するとともに、触覚情報の取得が必要な工程では触覚センサーを組み合わせ、データ取得から品質評価・クレンジング・挙動生成・制御・ロボット実装まで支援範囲を広げていく方針だ。
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