GMOインターネットグループのGMO AI&ロボティクス商事株式会社(以下、GMO AIR)は、ヒューマノイドの稼働データを活用し、動作精度を継続的に高める新サービス「GMO LOOP for Physical AI」(以下、GMO LOOP)の提供を2026年9月8日より開始した。
GMO AIRは日本国内でヒューマノイドの販売・導入を手がけている。ヒューマノイドは現場で安定して稼働するために、学習に使える現場データの不足や、シミュレーションなどで事前に学習した動作と実際の現場環境との差(Sim2Realギャップ)といった課題を抱えている。
現場の環境や作業内容は一つひとつ異なるため、導入前の学習だけで全ての現場に対応することは難しい。そこで実際に稼働する機体から得られるデータを活用し、現場ごとに動作精度を継続的に改善する仕組みが求められていた。
3つのプロセスを繰り返し、使うほど賢くなる仕組み
GMO LOOPは、現場で得られるデータを活用してヒューマノイドの動作精度を継続的に改善するサービスだ。
現場データの取得:人型ロボット(ヒューマノイド)動作の改善に必要なデータを取得する。
モデルの強化:取得したデータをもとに、追加の学習や動作パラメータの調整、シミュレーション環境の更新など、現場と作業に応じた手段でモデルを強化する。
実機への還元:学習の成果を動作精度の改善として、現場で稼働する機体へ還元します。改善された機体は再び現場でデータを蓄積し、次の循環へつながる。
提供は対象機種および現場の環境に応じた個別見積もりで随時受け付ける。現場での運用設計やデータ取得のための設定作業も合わせて提供可能としている。
取得するデータは動作改善に必要なカメラ映像や関節の動作ログ等に限定され、モデルの強化に使用する。保管・学習はいずれもGMOインターネットグループ内で完結し、預かったデータの外部提供や第三者への委託は行わない。データの利用はいずれも顧客の合意を前提としている。
現場データの価値が競争の焦点に
現実の物理世界を認識し、判断し、行動するフィジカルAIの社会実装は世界的に加速している。一方でヒューマノイドを開発する各社は、遠隔操作による動作の記録、作業者が装着するカメラによる一人称視点動画、モーションキャプチャー、稼働する機体のログなど、多様な手法で現場データの収集を進めている段階にある。
データ収集専用の施設を構える企業や、働き手が日常の作業を記録して提供する仕組みも登場しており、収集の規模と速さを競う動きが広がっている。機体の性能が各社で高まる中、競争の焦点は現場のデータと、それを精度向上に変える仕組みへ移りつつある。
GMO AIRは、こうした実際の稼働現場から得られるデータを精度改善へ還元し、継続してヒューマノイドを現場に適応させ続ける仕組みとしてGMO LOOPを開発した。GMO LOOPは機体そのものの開発・改良を行うサービスではなく、現場で得られるデータを活用して導入後の動作精度を継続的に改善する役割を担う。機体開発を手がけるメーカーと連携・役割分担をしながら、現場で実用できるヒューマノイドの社会実装を支援する形だ。
機体そのものの安全な運用については、2026年8月に提供を開始した「GMO SAFE」が担っており、安全に使える環境をGMO SAFEで、現場で確実に動くことをGMO LOOPで支えるとしている。
GMO LOOPは、「GMOヒューマノイド.shop」で取り扱うヒューマノイドを対象に提供を開始する。GMO AIRは今後、対象機種を順次拡大するとともに、工場・倉庫・物流をはじめとする現場で得られる知見をもとに精度改善の手法を拡充し、顧客の業務に応じた幅広い作業に対応していく方針を示している。
ロボスタオンラインセミナー情報
フィジカルAIに重要な「学習データ」 知能化ロボットの最前線
ロボスタでは、ヒューマノイドやAIロボットの進化を支える「学習データ」をテーマに、オンラインセミナー「フィジカルAIの『学習データ』はどう作る? APTO高品氏が語るフィジカルAI時代のデータ戦略と社会実装」を10月7日(水)に開催します。

講演では、「フィジカルAIになぜ学習データが重要なのか」といった基礎から、VLAや模倣学習、テレオペレーションによる実世界データの収集、アノテーション、シミュレーションや合成データの活用まで、フィジカルAIの学習データがどのように作られるのかをわかりやすく解説していただきます。
さらに、実際のユースケースや社会実装に向けた取り組みを紹介します。NVIDIAやAWSとの連携など、フィジカルAI時代に求められるデータ基盤やエコシステムのあり方、今後の可能性についても深掘りします。
ロボットを賢くするための「データ」は、どこから集め、どう作り、どう活用していくのか。フィジカルAIの社会実装を「学習データ」の視点から考えるセミナーです。ぜひ、ご参加下さい。
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「触覚」のAIロボット最新研究と実装の最前線
ロボスタでは、AIロボット実装の鍵を握る最新技術のひとつ「触覚・力覚」をテーマに、オンラインセミナー「ロボットは「触覚」で進化する ヒューマノイド・フィジカルAI時代のハプティクス最前線」を9月17日(木)に開催します。

講演では、「人間の触覚・力覚とは何か」「ロボットに触覚はなぜ必要なのか」といった基礎から、視覚AIとの融合、遠隔操作やテレオペレーションとの関係、医療・介護・製造分野への応用、さらにはヒューマノイドやフィジカルAI時代における触覚技術の役割まで、最新の研究動向を交えながらわかりやすく解説していただきます。
後半は、柔軟ゴムセンサ「e-Rubber」の開発や実証実験、「身体性AI」やロボットへの応用事例等をご紹介。
大学等における最先端研究と、企業による社会実装の両面から、触覚技術の現在地と今後の可能性を深掘りします。ぜひ、ご参加下さい。
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