川崎重工は2026年10月6日、ヘルスケア分野向けソーシャルロボット「Home LEO」(ホーム・レオ)の試作機を製作したと発表した。フィジカルAIを活用して周辺環境の認識、状況に応じた判断、自律的な行動までを行い、高齢者の在宅生活の支援を目指すロボットだ。
会話や見守り、日常生活のサポートを担う
Home LEOは、一緒に暮らす高齢者に寄り添い、会話や見守り、日常生活のサポートを行う。高齢者本人の好みや衣食住に関する生活データを継続的に収集し、日常のコミュニケーションに活かす。必要に応じて医療機関や介護施設などと共有・連携することで、高齢者が適切なサポートを受けながら、住み慣れた場所で安心・安全に暮らせる期間を延ばすことを目指す。
名称には、高齢者が「住み慣れた家(Home)とつながる」というコンセプトのもと、開発に込めた3つの思いを表す英語の頭文字が使われている。Lは「Linking Life(人とロボットをつなぐ)」、Eは「Empowering You(暮らしを進化させる力)」、Oは「Optimizing(毎日の生活をスマートに)」だ。
背景にあるヘルスケア業界の課題
日本のヘルスケア業界は、少子化に伴う継続的な人口減少と高齢化の進展により大きな課題に直面している。医療・介護の地域間格差、医療従事者や介護職員の慢性的な人材不足、社会保障費の増大など、医療機関や介護施設ごとの改善では対応しにくい状況にある。
川崎重工は、高齢者が自宅で暮らせる在宅期間を延ばすことが必要だとしている。在宅期間が伸びれば社会活動への関与が増えてQOL(Quality of Life)が向上し、医療・介護にかかる社会保障費の抑制にもつながるという考えだ。Home LEOによって、高齢者本人とその家族の心理的・身体的な負担を減らしながら、高齢者自身が望む生活ができる社会の実現を目指す。
主な特長(今後の開発で実装予定の機能を含む)
1)一人ひとりに寄り添うコミュニケーション
日々の会話や見守りを通じて、一人ひとりの生活習慣や好みを収集して理解する。利用者に合わせたコミュニケーションを重ねることで、高齢者の暮らしに寄り添う。

2)安心・安全な在宅生活を支援
転倒や体調変化、火の不始末、来訪者への対応など、日常生活に潜むリスクや異変の兆候を検知する。利用者本人に働きかけるとともに、家族や介護関係者とも連携し、在宅生活を支える。


3)フィジカルAIによる自律的な生活サポート
長年培ってきたロボット技術にAIを融合し、利用者や周囲の環境を認識して自律的に移動・行動する。住居内の移動や物品の探索などを能動的にサポートし、日常生活の負担や手間を軽減することで、高齢者の自立した暮らしを支える。


4)医療・介護・在宅をつなぐヘルスケアプラットフォーム
会話や行動、健康状態など、利用者の日常データをセキュアな通信環境のもとで継続的に取得・蓄積する。これらのケアデータは、本人の同意や適切な情報管理を前提に、医療機関や介護施設と共有・連携する。医療・介護・在宅をつなぎ、切れ目のないケアの実現を支援する。


試作機の寸法と今後の予定
試作機の寸法は、全長640mm×全高675mm×全幅390mm(膝立ち時の全高は830mm)。試作段階のため、寸法は今後変更される可能性がある。
今後は、厚生労働省、経済産業省、地方自治体などの行政、医療・介護機関、AIテック企業などと連携しながら実証試験を重ね、2028年度の市場投入を予定している。
ロボスタオンラインセミナー情報
ロボスタでは、国産のヒューマノイドや四足歩行ロボットの開発・量産を目指すHighlandersの増岡宏哉CEOをお招きし、オンラインセミナー「国産ヒューマノイド『N』量産と知能化への挑戦 Highlandersが描くフィジカルAIと実世界データ戦略」を10月22日(木)に開催します。

Highlandersは、三菱自動車の工場で活用するヒューマノイドロボットの共同開発と、京都製作所京都工場におけるHighlanders製品の量産化について協議を進め、2027年の早い時期の生産開始を検討しています。
また、ロボットを製造、物流、インフラなどの現場で稼働させ、視覚、力覚、触覚、遠隔操作などの実世界データを蓄積。そのデータを独自のフィジカルAI基盤モデルの学習に活用し、進化したAIを再びロボットへ展開する「データフライホイール」の構築を掲げています。
セミナーでは、国産ヒューマノイドの社会実装と量産、日本発のフィジカルAI産業の可能性などについて深掘りしていきます。ぜひご参加ください。
詳しくはこちら







