「ロボットパイオニアフォーラム008」参加レポート(前編)  #robopf

2016年4月23日(金)、渋谷dots.にて8回目となるロボットパイオニアフォーラム008が開催されました。

今回のテーマは「コミュニケーションロボット大集合〜人間とロボットが会話する時代がやってきた」。

コミュニケーションロボットメーカー5分間で自社ロボットの紹介するという大ライトニングトーク(LT)大会です。

今回のLT登壇はなんと15社!どちらも2016年注目のロボットメーカーばかりということで、チケットが今までにない24時間のスピードで売り切れ、追加チケットも1時間で売り切れというプラチナチケットとなりました。

会場の渋谷dots.は落ち着いた居心地のいいイベント&コワーキングスペース。イベント情報サービスを運営するdots.なのでどの場所からでもLTが見やすい設計がされています。

 ▽イベント&コミュニティスペース – dots.[ドッツ] in 渋谷
 https://eventdots.jp/space

dots.でロボット系のイベントが開催されるのは今年2月に開催された「IoT最前線」以来、2回目となります。

 ▽【dots. Conference Spring 2016 】「IoT最前線」PART1.
 https://robotstart.info/2016/03/04/report-dots_conference1.html

今日は高度な会話エンジンを搭載したロボット型人間ぱっぺーが司会進行を務めます。

最初に業務連絡から。

ロボットパイオニアフォーラムとは、ロボットを愛する、ロボットビジネスを信じる人の集いです。立場を忘れてロボットビジネスのためにオープンに語り合いましょう。

本日の概要です。

2016年、新しいコミュニケーションロボットが複数登場することが発表され、マーケットが立ち上がる機運が盛り上がってきました。

今回はその注目されるコミュニケーションロボットメーカーの皆さんをお呼びし、5分間で自社・自社製品のプレゼンテーションをしていただきます。

最新コミュニケーションロボットを使ってビジネスでイノベーションを起こそうと考えている方に向けてお役に立てればと考えています。

ロボットパイオニアフォーラム幹事団の3名から挨拶です。左から株式会社アールティ中川、アスラテック株式会社羽田、ロボットスタート株式会社中橋です。

ここから本編の大LT大会のスタート。発表順はこちらです。

  1. MJI/Tapia
  2. cocoro SB/Pepper
  3. ユカイ工学/Bocco
  4. Aldebaran Robotics/NAO
  5. ロボットゆうえんち/ナビゲーションロボ
  6. DeAGOSTINI/Robi
  7. ユニロボット/unibo
  8. Vstone/Sota
  9. CAC/JIBO
 10. CAC/BUDDY
 11. Sharp/RoBoHoN
 12. タカラトミー/OHaNAS
 13. AKA/Musio
 14. DMM.make ROBOTS/Palmi
 15. テレノイド計画/テレノイド



■MJI/Tapia

株式会社MJIからは千葉さやか氏がTapia(タピア)の紹介を行います。

 
▽Tapia タピア|MJI
http://mjirobotics.co.jp/

まずは、MJIのコンセプトから。

ビジョンは、人とロボットが共存できる世界をつくることです。

ミッションは、MJIのスローガンでもある「MORE JOYFUL INNOVATION」を体現する、利便性だけではない、楽しい・わくわくするロボットとの生活を提供。

人々の生活様式は変化します。それに伴い、必要とされるロボットも変化することでしょう。異なる人々のライフスタイルに対して、異なるロボット。MJIのロボットは人々のライフスタイルに適応します。

あなたのライフスタイルを学習することによって、ロボットがあなたに寄り添いながら様々な方法で手助けをしてくれる。

それはどういうロボットでしょうか?

双方向で会話し、必要な時にあなたのそばにいてくれる。孤独を生みません。

あなたができることはあなたが、あなたができないことや気づかないことはロボットがします。そして、ロボットが脅威にならないように、違和感が無いように、シンプル・自然であること。最後に、誰もが使える簡単・わかりやすいデザインであること。

こうして生まれたのが、MJIのロボットTapiaです。

ここでみなさんに質問です。地方出身の方で、離れて暮らすご両親に毎日連絡を取っている方はいらっしゃいますか?

みなさんスマートフォンがあるのに、いつでも電話ができるのに、両親が毎日どう過ごしているか知らないのではないでしょうか。

2035年には3人に1人が65歳以上になり高齢者社会は加速、一人暮らしの世帯も増加しています。

一人暮らしの方や、離れて暮らすご両親が安心して暮らせるために、Tapiaがあなたのライフスタイルを学習し、生活をみまもる心のパートナーになります。

Tapiaはシニア向けでかつ日々の生活に特化しています。

そして、段階を経て小さなお子さんのいる家庭や20〜30代の女性など、幅広い世代に家族として迎えられることを目指します。

Tapiaがいるちょっと未来の生活のイメージです。おじいちゃんとおばあちゃんの何気無い生活に、Tapiaがいたら。

おじいちゃんの様子、室内の温度を検知して「おじいちゃん!30度を超えているよ」とTapiaがエアコンをつけてくれます。

また、Tapiaが「おばあちゃんとお話ししたよ」と教えてくれたりもして、離れて暮らす子供がTapiaを通じて両親の生活を間接的に知ることができます。

Tapiaは、自発的に会話し、喜怒哀楽も表現します。Face to Faceで双方向の会話をします。置かれた環境やライフスタイルを学習・計算してセキュリティやヘルスケアの見守りを行います。

Tapiaは角のない丸いデザインや愛らしい表情で、アシスタントではなく人間のパートナーとして一緒に寄り添います。

キーボード入力が苦手な方でも、音声で操作することができます。

最後に1つお願いがあります。よろしければMJIのFacebookにいいねをお願いします。

 ▽MJI – Facebook
 https://www.facebook.com/MJI.Inc/

Tapiaの紹介は以上です。

もっとMJIのことを知りたいという方は、以下のロボスタの記事もどうぞ。

 ▽MJI -ロボスタ-
 https://robotstart.info/company_database/related_robot/tapia



■cocoro SB/Pepper

cocoro SB株式会社からは大浦清氏がPepperの感情領域について紹介を行いました。

 ▽cocoro SB株式会社
 http://www.softbank.jp/corp/group/ccr/

内容は、Pepperの人工感情知能、感情エンジン群の説明と取り組みについてでしたが、今回のスライド公開はNGとのことで、また紹介できる機会があればその時にご紹介致します。

「感情生成エンジン」について知りたいという方は、以下の公式発表をどうぞ。

 ▽cocoro SB株式会社 – 「感情生成エンジン」とは
 http://www.softbank.jp/corp/group/ccr/about/business/



■ユカイ工学/Bocco

ユカイ工学株式会社からは坂本章太氏がBOCCO(ボッコ)の紹介を行います。

 ▽ユカイ工学 | YUKAI Engineering
 http://www.ux-xu.com/

Boccoは今年の7月に発売されたばかりのコミュニケーションロボット。テーマは「生活に寄り添うコミュニケーション促進ロボット」です。

BOCCOは、スマートフォンのアプリと連携し、家にいる家族と気軽なメッセージのやり取りが行えます。

さらにセンサーからBOCCOを介してmyThingなどのウェブサービスにも連携可能です。

現状のスマートホームは個別設計が多く、規格が統一されていません。そのため、ユーザセントリックなUXが描けていません。

BOCCOは様々なアプリケーションやセンサーと連携可能なので、中期的にはスマートホームのコアデバイスを目指していきます。


BOCCOの紹介は以上です。

以下から購入が可能です。

 ▽BOCCO – 家族をつなぐコミュニケーションロボット – DMM.make ROBOTS
 https://robotstart.info/company_database/related_robot/bocco

もっとBOCCOのことを知りたいという方は、以下のロボスタの記事もどうぞ。

 ▽BOCCO -ロボスタ-
 https://robotstart.info/company_database/related_robot/bocco



■Aldebaran Robotics/NAO

Aldebaran Robotics(アルデバランロボティクス)からは井原公之氏がNAOの紹介を行います。

 ▽Aldebaran Robotics
 https://www.aldebaran.com/ja

会場にいらしている方ならみなさんご存知のNAOですが、先日世界中で10,000体が売れました。

アルデバランはフランスの企業ですが、2015年10月から1年間、日本とフランスは共同で「日本フランス・イノベーション年」を開催しているのをご存知でしょうか。

 ▽日本フランス・イノベーション年| 外務省
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/we/fr/page25_000131.html

NAOはその場に登壇しました。

フランスのオランド大統領もNAOと交流をしました。

そして、アメリカのオバマ大統領もNAOと交流をしました。スライドは2014年12月のホワイトハウスです。

さらには、エリザベス2世も笑顔でNAOとご対面いただきました。

どうしてNAOは世界中で愛されるのでしょうか?

まずはデザインです。

子供たちを夢中にさせるデザインで、現在自閉症の子供たちのための療育・セラピーの実証実験としても使われていたりします。そこから症状を和らげてくれるという結果も見られています。

子供だけではなく大人もNAOに夢中です。Vogueにも登場しました。

高い自由度もあります。25DOFで滑らかな動きが可能です。

NAOはロボットによるサッカーコンテストであるロボカップの標準ロボットに選ばれています。開発環境、拡張性が認められてのことです。

そして、デベロッパーのつながりは世界とつながるコミュニティーとなっています。皆で情報交換できるのもNAOの魅力です。

このほかにもNAOには19ヶ国語が話せたり、ダンスができたりという魅力もあります。

NAOの紹介は以上です。

もっとNAOのことを知りたいという方は、以下のロボスタの記事もどうぞ。

 ▽NAO -ロボスタ-
 https://robotstart.info/company_database/related_robot/nao



■ロボットゆうえんち/ナビゲーションロボ

ロボットゆうえんちからは岡本正行氏がナビゲーションロボの紹介を行います。

 ▽ロボットゆうえんち
 http://www.robotyuenchi.com/

まずアスラテック株式会社 吉崎航氏が登壇し、ナビゲーションロボットの制御システムにV-Sido OSが採用されたことを発表しました。

ナビゲーションロボットのアクチュエーターに使われているTHK株式会社製のサーボモータ。こちらの制御にV-Sido OSが使われるのは初めてのこととなるそうです。

 ▽ロボットゆうえんちの「ナビゲーションロボット」に ロボット制御システム「V-Sido OS」が採用
 https://www.asratec.co.jp/2016/04/22/8471/

今後は、エンターテイメント分野でのロボット活用を行っていくそうです。

 ▽RoboDoll | ロボドル – ロボットアイドル普及プロジェクト –
 http://robodoll.jp/

続いて、ロボットゆうえんちの岡本正行氏です。

ロボット遊園地は、テレビ番組やCMなどに登場するロボットを製作する企業です。最近だと俳優松坂桃李さんのトーリロボの製作を行ったそうです。

 ▽全国息チェック計画!|【 ロボットゆうえんち公式ブログ 】
 http://ameblo.jp/robotyuenchi/entry-12150573882.html

他にも、フジテレビめざましテレビの「めざロボ」、中日ドラゴンズの「ロボット・ドアラ」、熊本県の「ロボットくまモン」などの製作も行いました。

 ▽ロボットゆうえんちロボット製作例
 http://www.robotyuenchi.com/sales07.html

子供達に「すごいー!」って言ってもらいたくてイベントを行うようになり、ロボットの大道芸人に徹しています。

ロボット製作の他にもロボットのダンス(振り付け)を作るのも得意で、ロボットにマイケルジャクソンのスリラーなども振り付けられるそうです。

ロボットはV-Sido OSに対応しているので、家庭用コンセントがあれば使えることができます。

ロボットの製作・運用のご相談はロボットゆうえんちまで。

 ▽ロボットゆうえんち | -ロボットイベントの企画・運営、ホビーロボットの開発・販売-
 http://www.robotyuenchi.com/

ナビゲーションロボットの紹介は以上です。

もっとロボットゆうえんちのことを知りたいという方は、以下のロボスタの記事もどうぞ。

 ▽ロボットゆうえんち(株式会社MANOI企画) -ロボスタ-
 https://robotstart.info/company/manoi


前編は以上です。中編に続きます。

 ・「ロボットパイオニアフォーラム008」参加レポート(中編)

ABOUT THE AUTHOR / 

北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

PR

連載・コラム