自分用にカスタマイズされたECCOシューズが3Dプリンターを駆使して店内で完成! アムステルダムのECCO『W-21』で限定販売

私(著者)が、靴で最も気に入っているメーカーは「ECCO」(エコー)。
足にフィットするし、長持ちするし、長い人生、ずっと愛用してきたブランドだ。
そのECCOが海外限定の話ではあるものの、面白い企画を打ち出してきたので、ぜひとも紹介したいと思う。
あぁ、アムステルダムに行って注文してみたい!

デンマーク発・コンフォートシューズ&レザーグッズブランド ECCOは、リアルタイムで分析した足型データを用いて、店内で3Dプリンターを使ってミッドソールをカスタマイズ制作するサービス『QUANT-U(クアントゥー)カスタマイゼーション・プロジェクト』を発表した。
お店で専用のマットみたいなスキャナとセンサーに足を乗せると、3D足型計測器がわずか30秒で足を立体的に計測してくれると言う。

同サービスはアムステルダムにあるECCOコンセプト・ストア『W-21(ダブリュー21)』でイノベーション・ラボ・ECCO(ILE)主導により、2018年4月から期間限定で一般販売を開始する。

カスタマイズされた靴は定価に追加料金が加わるとのこと。現時点では日本での展開は未定だ。

■【動画】QUANT-U | Introducing Customised Comfort

イノベーション・ラボ・ECCO(ILE)は、ECCOホールディングスが出資する独立したデザイン・スタジオであり、同スタジオ代表のパトリッツィオ・カルッチ氏は以下のようにコメントしている。

ILE代表 パトリッツィオ・カルッチ氏

我々は3Dプリンターを採用したフットウエアからさまざまな可能性を探求していますが、他社からはカスタマイズの大量生産に対する確たる解決策は聞こえてきません。この付加製造によりオーダーメイドのあつらえ感を生み出すことが可能となりますが、商品化への道は険しいと言えるでしょう。というのも3D模型の複雑さと採寸データの欠如によるところが原因なのです。解決策として我々はデジタル集積、動作解析、装具データに注力し、これらが店内で靴を試着し、数分間試し履きをすること以上に面倒であってはならないと考えました。50年に及ぶ靴製造の経験をアルゴリズムに集約しました。




『QUANT-U』とは

『QUANT-U』はリアルタイムで足の分析を行い、そのデータをもとにデザインを開発し、店内の3Dプリンターを用いるという3つのステップで構成されたサービスだ。

『QUANT-U』の3つのステップ



リアル・タイム分析

解剖学的スキャンとセンサー・データを組み合わせることで製作した3D足型計測器はわずか30秒で足を立体的に計測し、着用可能なセンサーは着用者が実際に靴を履いた時の正確な動きを再現する。

3D足型計測器はわずか30秒で足を立体的に計測

なお、同技術は、クライアントの事業の発展に特化した最先端技術と商品デザインを提供する、ケンブリッジ・デザイン・パートナーシップとの共同事業となっている。


データドリブンなデザイン

ダッソー・システムズのファッションラボとの協業にて実現したバイオメカニカル・データは、カスタマイズしたミッドソールを製造する際に用いる。機械で形状の数値化を行えるため、多様な構造シミュレーションのパターンの中から着用者にフィットしたものを厳選できる。

ミッドソールはシューズの機能における心臓部であり、パフォーマンスと履き心地において主要な役割を果たす。



店内3Dプリンター

ザ・ダウ・ケミカル・カンパニージャーマン レップラップと協力して開発した3Dプリンターにより、わずか2-3時間で、カスタマイズされたミッドソールがセレクトされたECCOのシューズ用に形成できる。また、研究結果より、通常のミッドソールを3Dプリンターで作ったシリコンのミッドソールに置き換えることにより本来の特性である粘弾性、耐久性、温度安定性を実現できることが証明されている。

3Dプリンターで作ったシリコンのミッドソール

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ロボスタ編集部

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