移動するPepperを介護施設の見回りに活用!「昼はレク、夜は巡回」で無駄のない活用を提案 X-mov Japan

移動するPepperを活用した介護施設向け夜間巡回サービスを、X-mov Japan株式会社が開発した。SoftBank World 2018の「移動の実現でPepperの仕事が拡がった」というテーマで同社の代表取締役社長である長安氏が講演し、介護施設では「昼はレクで、夜間は巡回業務でPepperを無駄なく活用すること」を提案した。

X-mov Japan株式会社 代表取締役社長兼CEO 長安成暉氏


移動するロボットの重要性

長安氏は中国の深センや米国シリコンバレーでロボットを見てきて、成功しているプロダクトに共通して見られる特徴が「移動」であり、自身が開発するシステムもPepperを使った移動能力を前面に押し出したものになった。長安氏は「Pepperは自律走行を使えば、もっとできる仕事の幅が拡がる」とした。

そこで、長安氏は介護業界に市場を絞った。
日本は今後、高齢者社会が進行し、深刻な介護士不足の状況を迎える。長安氏は「2025年には約40万人の看護士が不足すると予測されている」と言い、自分自身も介護施設に2週間常駐し、現状を視察してみたが、他では類を見ないほどの多忙さであり、これはロボットによる効率化を行わないと将来、大変なことになる、と感じたと言う。
「介護施設ではPepperはレクエーション(レク)の時間に活躍される例が増えていて、質の高いアプリやサービスが揃っている。その一方でレクの時間は1日せいぜい2時間、月間で60時間程度の活用では、Pepperは高いROIを発揮できないのではないか」と説明。その上で、「残りの時間に対してPepperをどのように活用するかを検討した結果、夜間に介護施設を移動して巡回、見守りするシステムにいきついた」という。

長安氏は、昼間はレク、夜間は巡回でPepperを無駄なく利用することを提案する


夜間巡回ソリューションのしくみ

移動するPepperでは同じ講演に登壇したユニボット社の「UNIBOT by Pepper」も存在するが、それとX-mov Japanのシステムが技術的に異なる点は、移動の方式に「SLAM」(スラム)を採用していることだ。SLAMはロボットが自律的にマップを作りながら自走する方式で、予めマーカー等を施設に施しておく必要はない。
施設内の通路を一度マッピングすれば、以降はワンタッチでPepperの巡回を開始することができる。

一度マッピングを行えば、Pepperはワンタッチで巡回業務を開始できる

Pepperは障害物を避けながら施設内の自動巡回を開始、カメラとセンサーを使って安全に移動することができる。

Pepperは自律的に移動しながら、施設内を巡回、異常を見つけると通知する

夜間に徘徊している人を検知すると撮影して画像を管理者に送ることができる。また、顔認識機能もあるので、予め入居者を登録しておけば、誰をいつ、どこで発見したかをログとしてレポートすることもできる。万が一、何かのアクシデントがあった場合も記録として残せるので安心だ。

また、Pepperのカメラ映像はタブレットやパソコンでリアルタイムに確認できるので、管理者はデスクに座ったままPepperの巡回映像を確認することもできる。夜間のデスク業務を行いつつ、巡回しているPepperが異常を検知した場合に映像を確認して対応にあたるということもできそうだ。



サービスの特徴
介護士にとって負担の大きい夜間の巡回業務を支援する
Pepperを使用していない夜間の時間を無駄なく活用できる
Pepperの機種を選ばず、どのPepperでも利用できる

システムの提供はベータ版が9月上旬から開始。サービス料金は月額29,800円(税別)だ。Pepper本体の金額は含まれていないが、既にPepperを導入している介護施設はこの金額をプラスするだけで夜間巡回のシステムも導入できる。

関連サイト
X-mov Japan株式会社

ABOUT THE AUTHOR / 

神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

PR

連載・コラム