Amazonの公式スキル「Cleo」がクール。みんなでAlexaに自国の言葉を教えよう

米国AmazonがオフィシャルのAlexaスキル「Cleo」をリリースした。これがなかなかクールなスキルなのだ。

公式のスキル説明には「あなたがAlexaから新しいことを学ぶのが好きなのであれば、今度はあなたがAlexaの学習を手伝う番です。」と記載されている。Alexaが理解できない言語を話せるならば、その言語と文化についてAlexaに教えていくスキルになっている。

まず、このCleoスキルを起動し、例えばフランス語を選択すると、「フランス語を教えてくれますか?」「フランス語で天気は?」「あなたの好きなフランスの歌を教えてください」などと質問が5つ続く。その質問に対してユーザーはフランス語で自然な回答をしていく。もちろん質問は毎回異なる。現在の対応言語は、アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、インディアンの英語方言、フランス語、ドイツ語となっている。

具体的なやり取りのイメージは以下の通りだ。

User: Alexa open Cleo.
Alexa: Welcome back! Would you like to continue teaching me French?
User: Yes.
Alexa: OK, think of a city where they speak French. Ask me for the weather there.
User: Quel temps fait-il à Toulouse?
Alexa: Ask me for the time.
User: Quelle heure est-il?
Alexa: Think of your favorite French song. Ask me to play it.
User: Joue La Vie en Rose par Edith Piaf.
Alexa: Think of an actor. Ask me when they were born.
User: Quand est-ce que Jean Dujardin est né?
Alexa: Think of a store where you shop. Ask me when it opens.
User: À quelle heure est-ce que Carrefour ouvre?
Alexa: Thanks! Would you like to do another round?
User: Yes!

このスキルのどこがクールなのかといえば、ユーザーがAlexaを育てる動きにつながるスキルになっている点だ。質問に答えていくとユーザーはバッジを獲得し、ランクがあがっていくという、ゲーミフィケーション要素も盛り込まれている。

結果的にAmazonがAlexa向けに各国の流暢なネイティブスピーカーから多くの方言や文法を学べるようになっているのだ。

Amazonがこのスキルで得たデータを元にAlexaの音声認識を強化、自然言語処理の開発を進めてくれるのであれば、協力したユーザーにとってもメリットがありWin-Winなスキルといえる。日本語対応版の登場も期待したい。


Source:Amazon

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中橋 義博

1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。

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