ソフトバンク、車車間通信の遅延時間で1ms以下に成功、世界初! 車両間直接通信「3GPP 5G-NR Sidelink」の屋外通信試験

ソフトバンク株式会社は、総務省の「高速移動時において無線区間1ms、End-to-Endで10msの低遅延通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」において、5Gの新たな無線方式である「5G-NR」の無線伝送技術に基づき、2019年12月以降に標準化予定の車両間直接通信「3GPP 5G-NR Sidelink」の屋外フィールド通信試験を2018年9月より実施している。(冒頭の写真は以前発表の隊列走行のもの。車車間通信を使用)

同実証実験は、「モニター映像」(大容量)と「制御メッセージ」(小容量)という大きさが異なるデータを、それぞれ5Gを介して送受信し、無線区間で1ms以下かつ「ネットワークEnd-to-End」で10ms以下の低遅延と、正確なデータを確実に送受信する高信頼性に関する実証を行うというものだが、この度、無線区間の遅延時間が1ms(1,000分の1秒)以下となる低遅延通信に世界で初めて成功したことを2019年1月29日に発表した。



車両間直接通信の屋外フィールド通信試験

今回成功した試験は、「5G-NR」の無線伝送技術に基づく車両間直接通信を行う実験用試作機をトラックに搭載し、5Gの候補周波数帯である4.5GHz帯の実験局設備を使用して、走行中の車両間で通信試験を行い、車両間直接通信の遅延時間が1ms以下となる低遅延通信となる。

※同試験ではGPP 5G-NR Sidelinkの実験用試作機を使用

同技術は、走行中のトラックにおいて加減速情報や車間距離情報などを車両間で共有するなど、さまざまな活用が期待されており、同社は、「5G-NR」の無線伝送技術に基づく車両間直接通信に特有な電波伝搬環境や技術的要求条件を把握する目的で、車両間直接通信の標準化に先駆けて、実証試験を進めていくと同時に、トラック隊列走行(先頭車両が有人運転で、後続車両が自動運転で先頭車両を追従)の早期実現に向けて、引き続き技術検証および実証評価を行うと述べている。

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ロボスタ編集部

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