衛星測位システム「みちびき」を利用した案内ロボットの実証実験、九州大学で実施

ハウステンボス、九州大学、リビングロボット、NTTドコモ九州支社は、日本の衛星測位システム「みちびき」を利用した案内ロボットに、第5世代移動通信方式「5G」を用いた実証実験を九州大学伊都キャンパスで実施することを発表した。

九州大学とリビングロボットが開発した案内ロボットは、みちびきのセンチメータ級測位補強サービス「CLAS」を利用した屋外サービスロボット。同実験では5Gを活用することで、案内ロボットサービスの提供に必要な遠隔監視や、ロボットに搭載された全方位4Kカメラによる映像の取得とロボットの遠隔制御で、遠隔地からの観光体験を実現している。


VRヘッドマウントディスプレイを活用した観光体験

さらに5Gは、全周レーザーセンサーを搭載した車いすロボットの実験にも活用される。全周レーザーセンサーは、センサーヘッドが回転しながら360度方向に一度に32本のレーザーを走査し、障害物までのレーザーの到達時間から距離を計測するセンサー。実験では、レーザーセンサーで取得した大量の点群データを5Gで遠隔にあるPCに送信、高速に処理されたデータを使って車いすロボットを誘導するという実験が行われる。


車いすロボットの実証実験

実験が成功すると、テーマパークといった広大な園内や街中の案内や巡回監視の自動化、遠隔地から街中を自由に散策できる分身ロボットを、移動困難者に対する自動運転パーソナルモビリティビークル(1人乗りコンパクト移動支援機器)としての利用が期待できる。

同実証実験は、3月19日から九州大学伊都キャンパスで行われている。また、実証実験を通じて得られた結果をもとにロボットの改善を図り、今後はハウステンボスで実証実験を開始する予定。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム