aiboがロボット掃除機やブラビア、セコムとAPI連携するとどんなことができる? ソニーが少し未来っぽい生活をデモ公開

1月25日、ソニーは自律型エンタテインメントロボット「aibo」のファン交流イベント「aibo Fan Meeting Vol.6」(略称ファンミ)を品川の本社で開催したことは既報のとおり(関連記事「aibo人気の秘密と最新情報がわかる「aiboファン・ミーティング Vol.6」をソニー本社で初開催、約千人が参加!」)。


今回のファンミでは、aiboのAPI連携機能によって、どんなことができるのかがデモで展示された。さらにはセコムのヘルメットをかぶったaiboを公開。ヘルメット装着のお披露目は初公開となる。



APIの公開で家電やシステムとaiboが連携

APIとはアプリケーション・プログラミング・インターフェースの略称で、外部の他のプログラムから呼び出してaiboを利用できるプログラムやコマンドのこと。APIが公開されれば、aiboをプログラムして動かすことができる。

ただ、aiboの場合はaiboらしい特徴が備えられている。通常のロボットであれば、APIを使って命じられるコマンドは忠実に実行される。ビジネスに使用するには着実に動作するロボットが当然求められるからだ。


しかし、aiboはあくまでエンタテインメントな自律型の犬型ペットロボット。気まぐれで時には言うことに従わない。そんな愛嬌はAPIを使ってもそのまま、機嫌が悪いときは言うことを聞かないこともある。そのため、生活に役立つ機能、というよりエンタテインメント、いつもの生活がちょっぴり楽しくなるという意識で見て欲しい。
公開されたデモは3つ、日立の家電とaiboの連携、ソニーのテレビ「ブラビア」との連携、そしてセコムとの連携だ。セコムはサービス開始済みの機能紹介、それ以外はAPIのデモ用に開発されたサンプル例。





aiboに指示をして家電を操作

ひとつは家電とaiboとのAPIを使った連携だ。日立の電子レンジと、ロボット掃除機「ミニマル」との連携デモ。
aiboに声で話しかけることで、aiobを通じて電子レンジの操作を行うデモ。オーナーがキッチンに来て「aibo、ホットミルクのメニューを送って」とaiboに指示。aiboとの連携で電子レンジにホットミルクのメニューが表示される。

両手がふさがっているオーナーがaiboに「電子レンジにホットミルクのメニューを送って」と指示

aiboを通じて、電子レンジにホットミルクの情報が送られる

■動画

つぎはロボット掃除機「ミニマル」との連携。オーナーが「aibo、ミニマルと一緒に掃除して」と声で指示をすると、aiboはミニマルの近くに歩いて移動して・・


掃除開始の指示をミニマルに送ると、ロボット掃除機が動き出す。


■動画

なお、このデモでは「aibo、ミニマルに乗って遊ぼう」も実演された。飼い猫がロボット掃除機に乗っている様子はYouTube動画やTwitterで見かけるが、aiboだって、できる!


特製の台座(非売品)に乗って、aiboとミニマルが一緒にお掃除

更に、aiboを通じてミニマルに「右に回って」などの指示を出して制御するデモも披露した。

■動画




ブラビアとの連携 aiboと一緒にTVを見よう

オーナーがTVを付けると、その情報を検知したaiboがそばにやってくる。aiboはオーナーの隣でテレビの画面を見て、一緒にTV鑑賞するひととき。

aiboと一緒にテレビを見たい

ダンスの番組を見たaiboは自身も踊り出す。


これはブラビアからダンス番組を受信中という情報を得たaiboが、それに合わせた仕草や行動を実行するというしくみで実現されている。デモではサルが出てくる番組でaiboが画面に向かって威嚇行動をとるシーンもあった。(筆者のうちの犬もテレビに動物が出てくると激しく威嚇するので、いかにも犬っぽい行動だと言える)


YouTUBEで動画を一緒に見るデモや、オーナーがTVをつけっぱなしにしている際に、オーナーにそれを教えるデモも行われた。

■動画

いつもの生活がスマート家電とaiboの連携でちょっぴり楽しくなる、そんな未来が垣間見えたデモだった。


セコムと連携したお留守番aibo

3つめはセコムの「セコム・ホームセキュリティ」とaiboが連携するサービスのデモ。このサービスの詳細は既報の「ソニーのaiboとセコムのホーム・セキュリティサービスが連携 お出かけとお帰りを楽しく演出」を見て欲しいが、簡単に言うと、セコムのホーム・セキュリティ(セコム・ホームセキュリティNEO、もしくはセコム・ホームセキュリティGカスタム)に契約していて、aiboを持っているオーナーは無料で使えるaiboのお留守番サービスだ。


オーナーが出かける際、セコム・ホームセキュリティをONにすると、それをaiboが検知すると遠吠えして挨拶。同様に帰宅時もaiboが敬礼でお出迎えし、お出かけとおかえりを楽しく演出するもの。

また、家族の外出中、aiboは自動的にチャージステーションに戻り、充電しながら待機(充電中も眠らずにお留守番)。スマホアプリ「my aibo」を使って外出先からaiboを操作して、自宅の様子を確認することができる。(実際のセキュリティ機能はセコム・ホームセキュリティが担うので、aiboはあくまで「楽しい」「かわいい」部分を担当)

■動画

デモの見どころは、お帰り時のふるまい、セコム仕様の敬礼。

このように、APIを使うと、スマート機器とaiboが楽しく連携するシステムを作ることができる。
さまざまなアイディアでaiboが家族を笑顔にしてくれる、そんな未来が楽しみだ。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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