NECとセブンイレブンが顔認証決済を試験導入 商品案内を観た時間も測定 実験店舗で社員が対象
NECは、セブン-イレブン・ジャパンが抱えている店舗の課題を解決するため、2019年12月にリニューアルオープンした実験店舗「セブン-イレブン麹町駅前店」において、セブンイレブンの社員を対象に顔認証決済を試験導入する。また、商品案内用サイネージの視聴時間測定の実証を開始したことを発表した。(※冒頭の画僧はNECの公式ホームページより引用)
NECとセブン-イレブンによれば、顧客のライフスタイルや嗜好は変わり続けており、求められる“コンビニエンスストア像”も絶えず変化しているため、セブン-イレブンは顧客にとっては「心地よく使いやすいお店」、加盟店オーナーにとっては「安心して経営できるお店」、従業員にとっては「もっと働きやすいお店」を目指すことが重要と考えている。
NECはこれまで本店舗に設備の稼働管理や棚定点観測サービスを提供してきたが、今回新たに顔認証決済や商品案内用サイネージの視聴時間測定システムを提供することで、さらなる快適な顧客体験の実現や店舗運営の効率化を支援する、としている。
顔認証決済(セブン‐イレブン社員限定)
2020年3月16日より、セブン-イレブン社員向けに顔認証決済の実証を開始する。利用者は、専用端末を用いて事前に顔画像やクレジットカード情報、確認用コードを登録することで、セルフレジ支払い時に顔と確認用コードの2要素認証により、簡単かつセキュアに決済できる。
NECは、2018年12月より、セブン-イレブン三田国際ビル20F店においてNECグループ社員向けに顔認証決済の実証実験を行っており、今後は、一般の来店客への展開や、更なる利便性・セキュリティの向上に向け、顔と虹彩を組み合わせた認証の活用を検討していく。
なお、顔認証技術として、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術であり、顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用している。
NECは1989年より顔認証技術の研究開発を開始。これは50年以上前の文字認識の研究で確立したパターン認識技術を応用したもの。2009年に米国国立標準技術研究所(NIST)主催のベンチマークでNo.1の評価を得て以来、世界No.1の評価を5回獲得している。
商品案内用サイネージの視聴時間測定
2020年5月中旬より、店舗内にある商品案内(サイネージ)画面の視聴時間測定の実証を開始する。
NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つで、離れた場所から人の視線の向きを高精度に検知できる「遠隔視線推定技術」を活用することで、商品案内用サイネージに設置したカメラ映像から人の視線を検知し、映像から推定した年齢・性別ごとにサイネージの視聴時間を可視化。これにより、商品案内の注目度などの効果測定ができるとしている。
なお、プライバシー面では、カメラ映像データは即時に破棄され、個人を特定可能な情報は保存されない。