朝日新聞と電通 認知行動療法を使ったAIストレスケアアプリ「こころコンディショナー」開発 パイロット版を期間限定で無料公開

朝日新聞社は認知行動療法を用いたストレスマネジメントの第一人者である大野裕医師監修のもと株式会社電通と共同で、つらくなったら、いつでも・どこでも・誰もが・気軽に悩みを相談できるストレスケアアプリ「こころコンディショナー」の開発に取り組んでいる。

現在、新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う生活の変化により、ストレスに関連した様々な問題が発生している。そこで同社は「こころコンディショナー」のコンセプトをいかしたパイロット版を期間限定で無料公開する。
パイロット版では自分が不安やストレスだと感じていること、愚痴、吐き出したい気持ちなど、人には言いづらい思いをボットに打ち明けることで自分の気持ちを整理することができる。無料公開は2020年7月31日までを予定。(上の画像はyoutubeから引用)


将来的にはAIとの自然な対話ができるサービスを目指している

「こころコンディショナー」は認知行動療法の考え方を取り入れ、気持ちが動揺したときに自分を取り戻し、期待する現実に近づく手助けをするサービス。制作にあたっては電通が開発した、AI日本語自然対話サービスプラットフォーム「Kiku-Hana」を活用し、将来的にはAIとの自然な対話ができるサービスを目指している。

「Kiku-Hana」とは
電通が提供するAIチャットボットサービス。自然言語解析や理解、推論などに最適な論理型プログラミング言語AZ-Prologを採用し、これまで難しいとされてきた「日本語の意味」を解析することで、ユーザーが求める人間的な会話、情報提供を可能にしている。

認知行動療法はこころの情報処理のプロセスに働きかけてこころを軽くし、問題解決できるように手助けするアプローチ。うつ病や不安症を始めとする様々な精神疾患の治療法として、国の内外で効果が実証されてきた。最近では日々のストレスに対処し、自分らしく生きていくために認知行動療法のスキルが使われるようになっている。

大野裕医師は次のようにコメントしている。

新型コロナウイルス感染症の広がりと、それに伴う行動制限の結果、経済的な負担や心理的なストレスを感じる方が急激に増えてきています。こうした状況では、「からだの密を避け、こころの密を育てる」生活していくこと、つまり身体的距離をきちんととって感染予防をする一方で、心理的な孤立を防いでお互いに支えあいながらこころの健康を守っていくことが大事です。とは言っても、気持ちが動揺したとき、すぐに人に相談できないことも少なくありません。そうしたときに、「こころコンディショナー」は、こころを整えて次に進む力を引き出す助けになると考えています。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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