遠隔接客サービスを提供するタイムリープが約1.8億円の資金調達を実施 4月末までに北関東12ヵ所で「RURA」を実用化

タイムリープ株式会社は遠隔地から店舗での接客を可能にするサービス「RURA」(ルーラ)の事業拡大のため、ジャフコ グループ株式会社、HIRAC FUND、株式会社VOYAGE VENTURESを引受先とする第三者割当増資により、総額約1.8億円の資金調達をシードラウンドとして完了したことを発表した。


調達資金は「RURA」の更なる開発と人材費に投資

2018年10月、パーソル総合研究所・中央大学より「サービス業においておよそ400万人の人手が不足する」という未来推計が発表された。また、2020年2月の厚生労働省による労働経済動向調査では、2020年2月1日現在の全産業の欠員率(未充足求人数/常用労働者数)2.8%に対して、宿泊・サービス業は4.5%と大幅に上回り、サービス業における生産性の向上が必要であることが伺える。これらの背景に昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大も加わり、サービス業における働き方の変革は今後益々急務となっていくものと考えられる。

タイムリープはまるで瞬間移動のように多拠点への接客ができるSaaS型の遠隔接客サービス「RURA」を提供することでこれらの社会課題にアプローチ。ホテル・商業施設・シェアオフィス・小売業など多様な業界から現在200件以上のお問い合わせを受けているという。

同社は今回調達した資金をもとに、遠隔接客サービス「RURA」の更なる開発及び人材費に投資し、事業の拡大を通じてビジョンの実現を目指していくとしている。


遠隔地からの接客を可能にする「RURA」

タイムリープは「最も大切なことに時間を使える世の中を実現する」をビジョンに掲げ、遠隔接客サービス「RURA」を提供している。遠隔接客サービス「RURA」はインターネット越しに店舗の接客を行なうことができるサービス。特許出願中の独自システムにより、少人数で多拠点の接客ができる点に大きな特長があり、接客の一部を遠隔で集約することで、新型コロナウイルスへの感染対策はもちろんのこと、店舗運営の効率化や、接客業における新しい働き方の実現が可能となる。



<RURAの利用メリット>
■展示場を無人にすることでユーザーが自由に内覧する体験を実現しつつ、お困りの際には遠隔からサポートできるため、無人でも疑問を残さず内覧可能。
■接客する側は場所を選ばずに働けるので、専属スタッフの移動が不要となり、直前の内覧予約など様々なニーズに対応できる。
■自宅からでも遠隔で接客できることにより、育児や介護でリモートワークが必要となる場合を見据えて、社員一人ひとりが活躍できる環境づくりを推進することができる。


【導入事例】4月末までに北関東12ヵ所で「RURA」を実用化

ケイアイスター不動産では2019年8月より無人内覧型モデルハウスとして「はなまるハウス高崎展示場」を運営しており、その後2020年8月のIKI高崎展示場オープンからRURAを導入。無人内覧を体験した利用者の声から、オンラインで案内しながらゆっくりとモデルハウスを内覧できることの要望の高さを認識し、4月末までにオープンする埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県合計12カ所にRURAの導入を拡大する。


関連サイト
RURAサービスサイト


タイムリープのビジョン

以下、文章はリリースより引用

「最も大切なことに時間を使える世の中を実現する」
「家族と一緒に過ごすこと」「楽しいと思えることに挑戦し続けること」「仕事に熱中すること」。100人いたら100通りの「大切なこと」があると思いますが、現実には大切なことだけに自分の時間を使うことはできません。私たちは、「仕方がないこと」に追われて時間を費やすのではなく、自分の時間を何に使うかを自分の価値観で選択することが、豊かに生きることだと考えています。タイムリープは、テクノロジーの力で社会構造を変えることで、みんなが最も大切なことに時間を使うという選択肢を持った世の中を実現したいと考えています。

代表取締役 望月亮輔 氏

1988年生まれ。大学卒業後大手通信会社、動画メディアのベンチャー企業を経てロボットメディアであるロボットドットインフォを立ち上げ、法人化させる。その後同社をロボットスタートに売却し、以降ロボットスタートにて役員としてメディアの編集長を務める。2019年に同社を退任してタイムリープを設立、現在に至る。


引受先からのコメント

ジャフコ グループ株式会社 シニアアソシエイト 清田怜 氏

あらゆる領域で不可逆的にデジタル化が進む一方で、現時点において人間の業務の全てをロボット(AI)で置き換えるハードルは高いと感じています。こうした環境下、国内外のロボット情報を最先端でウォッチし続けてきた望月社長が、店舗の接客UXにこだわり抜いて作り上げた「RURA」というプロダクトは、必ず遠隔接客を当たり前のものにしてくれると期待しています。一緒に頑張っていきましょう!

HIRAC FUND 代表パートナー 古橋智史 氏

望月さんの過去のロボット事業での経験や、コミット力が高いチームに一目惚れしました。昨今のDX化の潮流や市場のポテンシャルはもちろんのこと、コロナ禍において対面接客が難しくなる中、完全に無人・機械化するのではなく、人間×テクノロジーというハイブリッドなソリューションに、可能性を感じました。ジャフコさん、VOYAGE VENTURESさんという素晴らしい株主応援団ととも知見を集結し、事業拡大を全力で応援してまいります。

株式会社VOYAGE VENTURES インベストマネージャー 小笠原 英昭 氏

接客のDXは新型コロナウイルス感染症を契機に注目が高まっていますが、アフターコロナにおいても最も希少な資産である人財の有効活用の観点で、その重要性はいっそう高まると考えています。その中でRURAはPoCにとどまらず、実際に現場で効果をあげている稀有なサービスで、これまで導入困難だったケースも含め、あらゆる接客シーンで活用可能なものです。今後、自分たちの想像を超える用途で活用されていくことを考えると、非常にワクワクしています。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム