400年の歴史ある伝統芸能「地歌舞」を石舞台古墳、VR姫路城などから超時空配信 XR対談の特別コンテンツも配信

400年の歴史ある伝統芸能「地歌舞」(じうたまい)。地歌舞古澤流の家元がそのルーツをたどり、各時代を代表・象徴する舞を実演しながら、著名文化人との対談も交え、古代から現代につながる日本の舞の歴史を紐解いていく全四話と、映像美・最新XR技術も楽しめる教養エンタメ番組を「U-NEXT」「観劇三昧」「360channel」で配信中。

同企画は約400年続く日本の伝統芸能の一つ「地歌舞」のうち、古澤流 二世家元 古澤侑峯(ふるさわゆうほう)氏を主出演者に取り上げ、その成立の歴史をたどりながら、撮りおろしの舞台映像、舞台の背景に迫るインタビュー、各界著名人との対談(人間国宝 今藤政太郎氏、美内すずえ氏、日野晃氏)を行いながら、日本の伝統芸能、伝統的価値観、哲学・思想について探求する。XR技術を活用し、新たな表現にも挑む。また、英語訳を付け、海外配信も実施し、これまでにない新たな視聴者層・観客層の獲得を目指す。文化庁と地歌舞・古澤流が主催し、一般社団法人 伝統文化創造推進機構と地歌舞・古澤流が企画・制作する。

■地歌舞・古澤流 および 家元 古澤侑峯について
日本の伝統の舞「地歌舞 古澤流」は地歌舞だけでなく、姫路城に伝わった「御殿舞」の流れを汲んで継承している流派。地歌舞は「地歌」の演奏に合わせて舞う。「地歌」がまだ三絃(三味線)が無い室町時代に琵琶の演奏によって始まったことから、地歌に乗せて舞う「地歌舞」もその頃から始まったと考えられている。

二世家元 古澤侑峯氏は地歌舞、御殿舞の動きや所作、精神を基本にしながら、源氏物語を舞にした「源氏舞54帖」の創作舞などを上演している他、宝塚本部・東京・桐生・大阪・京都で「地歌舞」と「舞体操」を教えている。能の影響を強く受けながら完成されてきた古典芸能で、「日本舞踊」や「クラシックバレエ」などが、まず「形(フォーム)」を作り上げてから、心を吹き込んでいくというやり方をしているのに比べ、地歌舞(明治以前はただ「舞」と称していた)は「心の動き」が先行した上で、形と心がほぼ同時進行という特徴を備えている。


本編エピソード1 【古代】神話時代の舞「アメノウズメ」

「地歌舞へつながる日本の舞の歴史1_【古代】神話時代の舞「アメノウズメ」」
~日本の太古の響きと神話時代の祈りの舞を石舞台古墳に捧げる~

奈良県明日香村にある国の特定史跡「石舞台古墳」前で縄文時代から使われていた人と神を結ぶ楽器「石笛」(いわぶえ)と、古事記に記されスサノオノミコトが持っていた「天の沼琴』を再現したと伝わる「二弦琴・八雲琴」の響きに乗せて、神話時代の女舞を創作再現する。日本最古の寺「飛鳥寺」には地歌舞古澤流の扇塚がある。舞手・古澤侑峯はそのゆかりの地に導かれ、神話の世界へ、芸能の女神・最古の舞手アメノウヅメへと、トリップしてゆく。


石笛演奏:横澤和也氏


本編エピソード2 【中世】白拍子の舞「静御前」

地歌舞へつながる日本の舞の歴史2_【中世】白拍子の舞「静御前」
~中世の男装の麗人 巫女であり遊女でありファッションリーダーでもあった白拍子の登場~

時は流れ、たおやかであった女舞に革命がおこる。白拍子達は今様(いまよう)や朗詠(ろうえい)などの歌舞(かぶ)を市井(しせい)に流行らせ、人気となっていった。実在した白拍子『静御前』。ただ権力に屈するのではなく、社会的には弱くも、舞ながら義経への思いを歌い、頼朝陣営をなじったその凛とした姿を、薩摩琵琶の演奏と語りに乗せて舞う。


薩摩琵琶弾き語り:荒井靖水氏


本編エピソード3 【近世】御殿舞「千鳥の曲」

地歌舞へつながる日本の舞の歴史3_【近世】御殿舞 「千鳥の曲」(ちどりのきょく)
~地歌舞・古澤流のルーツ『御殿舞 松本流』 約350年前より姫路城の奥で秘かに女性たちによって舞われていた舞をVR姫路城から上演~

約350年前から姫路城に伝わる女流による舞の流派『御殿舞 松本流』は地歌舞古澤流の直接の祖先となる舞である。城の奥で自由な外出や立ち振る舞いがままならぬ立場の武家の女たちが、教養として、そして時にはストレス発散としても継いできた舞の姿。舞うは古典筝曲の名曲「千鳥の曲」。のどかな浜辺と可愛らしい千鳥の様子を歌い、鳥の鳴き音「ちよちよ」に重ねて「八千代」に平和が続くことを願いつつ、渡り鳥である千鳥の姿に遠くにいて会えない人への思いを重ねる情緒あふれる歌を典雅に舞う。





本編エピソード4 【近世~現代】地歌舞「雪」

そして地歌舞の完成へ 地歌舞へつながる日本の舞の歴史 最終章【近世~現代】_地歌舞「雪」
~地歌舞の代表曲「雪」 伝統の名作をVR空間で舞い 新たな古典の世界を拓く~

地歌舞古澤流は姫路城の「御殿舞」の手ほどきを受けながら、近世以降に上方で座敷舞として発展した「地歌舞」(上方舞ともいう)を継承している。地歌舞といえば「雪」と言われるくらいの名作、人気作で、古澤侑峯も若年のころから度々舞ってきた。畳半畳で全てを表すことができるともいわれるほど、動きが少なく抽象的に表現され、地味にも見えながら奥深いものを孕んでいる地歌舞の世界。今回、この名作に現代技術VRによる新表現で挑む。





XR対談の特別コンテンツ3種を配信

■日野晃氏(日野武道研究所所長)×古澤侑峯氏 「舞について 日本の身体表現と芸術性」



■美内すずえ氏(漫画家)×古澤侑峯氏 「日本の舞 芸能と自然」



■今藤政太郎氏(人間国宝 長唄三味線方)×古澤侑峯氏 「伝統と創作」



配信先
【国内配信】 
・U-NEXT:各話200円/全話500円
https://video.unext.jp 

・観劇三昧:各話200円
https://v2.kan-geki.com/

・360channel:各話200円
https://www.360ch.tv/ 

【海外配信】
・VIMEO:各話213円
https://vimeo.com/ondemand/314332/

関連サイト
地歌舞・古澤流

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム