日本郵便がオートロック・マンション内で複数台の屋内配送ロボット「RICE」を実証実験 エレベータと連携して玄関先まで自動配達

日本郵便は物流分野で配送ロボットの活用に向けて、オートロック付きのセキュリティーマンションなどにおける屋内配達を、複数台の自律走行型配送ロボットで行う実証実験(配送試行)を千葉県内で行い、3月23日に報道関係者にその様子を公開した。自律走行型配送ロボットにはソフトバンクの子会社アスラテックの「RICE」(ライス)を5台設置して行なった。

アスラテックの自律走行型配送ロボット「RICE」。最高時速4km/h、高さ76cm × 幅54cm、奥行50cm、体重55kg。最大積載量は10kg

日本郵便はオートロックシステム付きマンションなどの「屋内」において、ラストワンマイル配送を複数台の配送ロボットと運行管理システムを使って検証するのは日本初の試み、としている。

複数台の配送ロボットを運行管理システムで監視。緊急時には遠隔操作もできる

今回の実証実験の技術的なポイントは、「RICE」の自律走行による配送、エレベータや施設管理システムとの連携、遠隔監視システムの導入があげられる。エレベータ連携や運行管理システムは日立製作所が協力した。



マンション居住者宛ての荷物を入口から玄関まで自動配送

今回の配送試行実験の想定される実務の流れはこうだ。
まず、日本郵便の配達員が配送する荷物を持って、施錠されたマンションの入口にやってくる。スマートフォンを使って「RICE」を呼び出す。

スマホで「RICE」を呼び出す。「RICE」が入口のドアに近付くと自動ドアが検知して開く (代表撮影)

「RICE」が近付いて入口の自動ドアが開くと、配達員はカバーを開いた「RICE」の収納庫に配達したい荷物を入れる。

「RICE」の収納庫に荷物をセットする (代表撮影)

配達先の住戸のルームナンバーを入力して収納庫を閉めると「RICE」は自律移動をはじめる。配達員は入口を後にして次の業務へ。

マンションの通路を自律移動する「RICE」(代表撮影)

エレベータと連携、エレベータに乗り込み、目的階へと移動する。

エレベータとの連携。施設管理システムと通信して自動でエレベータを呼んだり、乗り降りすることができる

受取人の住戸の玄関までの移動すると、玄関前で「RICE」のシステムが受取人にLINEで通知し(RICEの荷物庫の暗証番号も通知)、受取人は玄関前で「RICE」のカバーを開けて荷物を受け取る。

受取人が玄関先で「RICE」に暗証番号を入力してカバーをオープン (代表撮影)

受け取ったら操作パネルでカバーをクローズする (代表撮影)

受け渡しに成功した「RICE」は自律移動で再びエレベータと連携、マンションのロビーに戻る。


充電台を兼ねた待機所で次の指示を待つ。



充電ステーション(本体の後ろ)に接続して、次の出動を待つ「RICE」

配送の際、「RICE」はマンション内を自律で移動し、障害物や人などに接触しないように走行する。また、エレベータと連携して、配達先の目的階まで自動で昇降することができる。エレベータとの連携は日立製作所が開発した施設管理システムにより実現した。

■動画

実証実験の概要は関連記事「日本郵便が複数台の自動配送ロボット実証実験 アスラテックの「RICE」がマンション内でエレベーターと連携して自動運転」も併せて参照のこと。


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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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