ドコモと東急バス、バスの混雑を避けて乗客の行動を変える「ナッジ」実証実験を発表 バス停の画面にメッセージ配信

株式会社NTTドコモと東急バス株式会社は、バス車内の混雑平準化に向け、人々の行動変容を促す実証実験を開始する。第1弾として、バス停留所のデジタルサイネージへ「ナッジ」を活用したメッセージ配信を2021年3月24日(水)から実施する。

「ナッジ」(nudge:そっと後押しする)とは、人々にちょっとしたきっかけを与えて、行動を変えてもらうことを促す行動経済学の理論であり、同実証実験は、2021年3月3日(水)から東急バスで実施している「バス車内のリアルタイム混雑状況の配信」を利用し、バス停留所のデジタルサイネージに「ナッジ」を活用したメッセージを配信。これにより、混雑したバスの乗車を見送るなど、利用者の行動を変えるきっかけとしての効果を検証することを目的としている。

混雑したバスを避け、すいているバスに乗車することで、快適な環境での乗車を可能とすることや、混雑の平準化により遅延が解消されるといった課題の解決が期待されると同時に、趣向を変えた複数のメッセージを配信することでより効果的な案内の方法を検証し、利用者への案内方法の改善を検討する。また、第2弾として、利用者のスマートフォンへ、行動変容を促すメッセージ配信の実証実験も予定しており、今後も、両社は「ナッジ」を活用したメッセージ配信により、利用者に快適で安全なバスの運行を提供できるよう努めていく。

「ナッジ」を活用した同様の試みは、西鉄と日立も3月に発表している。関連記事「日立と西鉄が共同でMaaSの実証実験 バス混雑時に寄り道を紹介 日立の「ナッジ応用技術」を活用して行動変容を促す

実証実験の概要

バス停留所の利用者に対し、ナッジ理論を活用した行動変容を促すメッセージを配信。バス車内の混雑の平準化をめざすとともに、バスの定時運行およびさらなる安全・適正な運行の実現に資するか、実証実験を通じて評価する。


同実験期間

第1弾 : 2021年3月24日(水)~2021年4月27日(火)の平日を予定


同実験の内容

東急バスの保有するリアルタイム混雑情報配信システムおよび停留所のデジタルサイネージに、ドコモが有するナッジ理論を生かした「混雑回避メッセージ」を配信。混雑平準化に向けた利用者の行動変容を促し、メッセージパターンに応じた行動変容の度合いを、車両別の乗車数データ分析により評価する。

実証実験全体イメージ


実施区間

デジタルサイネージ設置停留所
(渋):渋谷駅方向、(黒):目黒駅前方向、(玉):二子玉川駅方向、(岡):大岡山小学校前方向
(■):中目黒駅では、渋谷駅方向、目黒駅方向、大崎駅・大井町駅方向 の各乗り場に設置


各社の役割
ドコモ ・ナッジ理論を活用した混雑回避メッセージパターンの企画
・行動変容技術の評価(東急バスと協働)
東急バス ・各バス車両におけるリアルタイム混雑情報配信システムの提供
・混雑回避メッセージの決定および配信管理
・行動変容技術の評価(ドコモと協働)

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ロボスタ編集部

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