ノーベル賞応用技術 XTIAの「光コム測定」とJUKIの「画像検査」技術を融合した「ハイブリッド外観検査装置」個別受注を開始

JUKI株式会社と株式会社XTIA(クティア)は2020年2月より、両社の技術を融合させた唯一無二の外観検査装置の共同開発を進めている。
JUKIは2021年3月31日、JUKIの検査機にXTIAの光コム測定技術を搭載し、自動車のエンジン部品や機械部品の外観検査を自動化する「ハイブリッド外観検査装置」の個別受注を4月1日より開始することを発表した。


「ハイブリッド外観検査装置」はJUKIの2D画像認識技術を搭載した高速自動検査機と、XTIAの光コム測定レーザを組み合わせた装置。従来は人による目視検査に頼らざるを得なかった複雑な形状の部品検査をインラインで自動化できる。また、キズ不良の「位置」「長さ」「面積」に加え、「深さ」も計測できる高精度な検査を実現する。

JUKI と XTIA の技術を融合させた検査ヘッド
特徴 ・高速画像と高精度レーザをオールインワン検査装置で実現
・アルミ鋳造品のキズなどの欠陥検査に有効なハイブリッド外観検査装置
検査可能ワークサイズ W600×D600×H300mm 以内
検査速度 画像0.7 秒(44 ㎜×32 ㎜/1 画面)、レーザ 2.5 秒(□9 ㎜/1 画面)
検査分解能 12μm(XY) / 1μm(Z)


ノーベル賞受賞技術「光コム」

2005年にノーベル物理学賞を受賞した「光コム」という技術を、3次元の形状測定分野で実用化したのが日本企業の「XTIA」だ。櫛状に平行して多数の光を発し、その反射光を計測等に活用する技術。生産現場で使えば、高精度で高速な計測が実現できる。ロボスタでは2020年12月に同社を取材し、技術的なしくみと特徴を紹介した。

JUKIとXTIAは今後もこれまで以上に強固なパートナーシップを構築し、JUKIの光学カメラ検査装置とXTIAが保有する光コム技術とを組み合わせ、新たな製品の創出、性能の向上、光コム技術の普及を図っていくとしている。


JUKI株式会社について

JUKIは世界のアパレル産業を支える工業用ミシンの分野において、世界トップシェアのミシン総合メーカー。世界100ヵ所以上に拠点を構え、185カ国以上のユーザーをサポートしている。1987年より“プリント基板”を製造するための「産業用ロボット事業」に進出し、その技術をベースに機械パーツの「検査機」分野への事業領域拡大を進めている。

関連サイト
JUKI株式会社


株式会社XTIAについて

XTIAはノーベル物理学賞受賞技術「光コム」の産業応用に成功した、高い技術力を有する技術開発ベンチャー。光コム技術を測定メソッドとして開発することにより、製造現場における測定・検査の自動化ニーズに応え、インダストリー4.0 の実現に貢献する。自動検査を実現する検査装置の開発・販売、及び、光コム技術の提供により各社との提携を実施している。

関連サイト
株式会社XTIA

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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