NVIDIAは、AI物理シミュレーションライブラリ「NVIDIA PhysicsNeMo」の再設計と、高速演算ライブラリ群「NVIDIA CUDA-X」のアップデートを行い、エンジニアリング分野向けの自律型AIエージェント基盤「NVIDIA Agent Toolkit」を拡充したと発表した。
ソフトウェア開発者は、物理法則に基づく推論能力・高速ソルバー・量子化学計算機能を備えた自律型AIエンジニアを構築できるようになる。
チップ設計の複雑化に対応する自律型AIエンジニア
次世代のチップやシステムを構築するには、ますます複雑化する設計サイクル全体で、物理・シミュレーション・性能解析を連携させる必要がある。こうした課題に対応するため、専門ツールを駆使してシミュレーション実行や高精度データ生成を行い、チップの設計・検証・パッケージング・システム構築の規模拡大を支援する新たな自律型AIエンジニアが登場しつつある。
今回、「NVIDIA Agent Toolkit」への組み込みにあたり、「PhysicsNeMo」はAIエージェントが扱いやすいライブラリ群として再設計された。「PhysicsNeMo」がモデルの学習・展開に必要なAI物理スキルを提供する一方、「CUDA-X」ライブラリは高速化されたソルバーや量子化学計算機能をエージェント型エンジニアリングワークフローにもたらす。
「Nemotron 3 Ultra」がチップ設計の自動化を後押し
NVIDIAのオープンモデル「NVIDIA Nemotron 3 Ultra」は、NVIDIA ResearchのエージェントであるACE-RTLとの連携により、エージェント型レジスタ転送レベル(RTL)コーディングにおいてオープンモデルの中でトップクラスの性能を発揮するとしている。これにより、企業はチップ設計や検証向けにカスタマイズ可能なAIエージェントを構築しやすくなる。
NVIDIAのコンピュテーショナルエンジニアリング担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるティモシー・コスタ氏は、「エンジニアリングは転換点を迎えた。AIは今や、物理・シミュレーション・設計といったツールと連携できるようになっている。NVIDIA Agent Toolkitを活用することで、開発者は物理法則に基づいて推論を行い、複雑なシミュレーションを実行し、高精度なデータを生成できるエージェント型エンジニアを構築できる」と述べている。
Cadence・Siemens・Synopsysも活用
Cadence、Siemens、Synopsysをはじめとする業界をリードする企業各社は、NVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティングおよびエージェント型AI技術を活用し、チップ設計・検証・パッケージング・システム全体にわたる自律型エンジニアリングワークフローを推進している。半導体・製造業の設計現場では、AIエージェントが人間の設計者の作業を補完し、開発サイクルの短縮につながる動きが加速しそうだ。
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