3Dデータ処理を手がけるbestat株式会社は、同社のクラウドサービス「3D.Core」が株式会社天辻鋼球製作所に導入されたと発表した。天辻鋼球製作所は生産ラインのさらなる自動化・最適化を進めるにあたり、協働ロボット導入時の干渉チェックや動作シミュレーションを仮想空間上で行う3Dデータのプラットフォームとして「3D.Core」の活用を開始する。
導入背景
天辻鋼球製作所は、自動車・航空機・産業機械から風力発電・人工衛星まで、あらゆる「回転・摺動」を支える鋼球の製造メーカーだ。国内・海外に複数の生産拠点を持ち、100年以上にわたり日本のものづくりを支えてきた。
今回の「3D.Core」導入の背景には、国内外市場でのさらなる成長を見据えた競争力強化と生産性向上、そして高度なノウハウをデータとして組織に蓄積し、フィジカルAI活用へとつなげたいという意向があった。あわせて、設計部門への負担をかけずに、生産企画側で3Dデータを迅速に整備し、生産計画と連動した全体最適のFA設計シミュレーション環境を構築することが課題となっていた。
3Dデータの取得・活用を担当部門内で完結
天辻鋼球製作所は、フィジカルAI導入の準備プロセスについて情報収集する過程で、3Dデータの整備に時間と人手がかかる点に課題を感じていたという。「3D.Core」の導入検討では、設計部門に頼らず生産企画部門のメンバーだけで3Dデータを取得・整備でき、既存の3Dファクトリーシミュレーションソフトウェアへスムーズに連携できる点が評価された。
協働ロボット活用に向けたフィジカルAI環境の構築を支援
「3D.Core」で撮影・モデル化した設備データを使い、今年度中の仮想環境構築を目指す。その後は協働ロボットの動作検証や干渉チェックへの活用など工場自動化のさらなる深化を進め、蓄積された3Dデータを基盤に次世代の工場マネジメントの実現に向けた取り組みを継続していく予定だ。
天辻鋼球製作所 生産企画部の松本璃空氏は「実際の設備情報をデジタル空間上に再現し、これまで現場でしか行えなかった検証をシミュレーション上で実施できるようになる。検討の精度向上やプロジェクトの円滑な推進につながることを期待している」とコメントしている。
bestat 代表取締役の松田尚子氏は「設計部門に負担をかけず、生産企画部門自身の手でデータを整備できる環境を求めていた点が印象的だった。現場に近い部門が自らデータを扱えることは、フィジカルAI活用の第一歩として重要だ」と述べている。
3D.Coreについて
3D.Coreは、東京大学松尾研究室発のbestatが開発する産業向け3Dデータ活用プラットフォームだ。画像・動画・点群・360度動画など、現実空間で取得される多様なデータを高精度に3D化し、取得・生成・処理・活用までを一気通貫で支援する。
製造業・インフラ分野を中心に導入されており、デジタルツイン構築、生産技術、設備保全・点検、レイアウト検討などの業務で活用されている。
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