渋谷区立宮下公園をVR空間上に再現「渋谷区立宮下公園 パラレルサイト」ブラウザとVRChatでオープン アート展、スケボーや花火等を楽しめる

大日本印刷株式会社(以下、DNP)と一般社団法人 渋谷未来デザイン、渋谷区立宮下公園の指定管理者の宮下公園パートナーズの3者は、現実の渋谷区立宮下公園を仮想(バーチャル)空間上に高精細に表現した「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE(パラレルサイト)」を7月7日(水)にオープンすることを発表した。

オープン時にはスマートフォンなどの情報端末で世界中どこからでもアクセスして楽しめる「ブラウザ版」で、一同に集まることのない世界の著名絵画を展示したアート展『「YOU’RE THE WORLD」 ―山本奈衣瑠の絵画解説しちゃうぞ―』を開催する。また、ヘッドマウントディスプレイ等を装着して、より高精細な環境を楽しめるソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」の空間も同日オープンし、年中桜が楽しめる空間の中で夜空に花火を打ち上げたりできるほか、公園内に実際に存在する設備やコートで行う「スケートボード」や「ボルダリング」を体験することが可能。

ブラウザ版「YOU’RE THE WORLD展」

ソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」のお花見体験


開催イベントを紹介


アート展「YOU’RE THE WORLD」(ブラウザ版)

渋谷区が目指す未来像「ちがいをちからに変える街」に基づき、「You’re the World」をコンセプトとし、人(キュレーター)を通じて、文化・価値観・世代などの「ちがい」に潜む“感性”を体験できる展示会を開催する。絵画に造詣が深いモデルの山本奈衣瑠(ないる)さんがキュレーターとなり、名画34点を選び、「実は面白い絵画の世界」をテーマに、独自の観点で音声解説する。解説にあわせた説明の字幕表示や絵の一部が拡大するなど新しい鑑賞体験のほか、展示作品の一つであるシスティーナ礼拝堂の天井絵を実物と同じように頭上に展示するなど、バーチャルならではの工夫を凝らした展覧会となっている。

システィーナ礼拝堂の天井絵

キュレーター:山本奈衣瑠(やまもと ないる)
2014年にモデルとしてキャリアをスタート。雑誌や広告・CMなど幅広い分野で活動。モデル活動の傍ら、フリーマガジン「EA magazine」の編集長を務める。自他共に認める絵画オタクで、年間を通じて多くの美術館を訪れ、図録も蒐集。自身のInstagramでも絵画解説を発信する。

展示作品には株式会社DNPアートコミュニケーションズの画像ライセンス事業で提携している国内外の美術館・博物館の高精細デジタル作品画像を活用し、コロナ禍で海外の美術館に行く機会も制限されているなか、また現実には一堂に集めることが困難な世界中の絵画をどこにいても堪能できる。

【主な展示作品】

パリスの審判
作家:ペーテル・パウル・ルーベンス、所蔵先:ロンドン・ナショナル・ギャラリー



自画像
作家:ベルト・モリゾ、所蔵先:マルモッタン・モネ美術館



ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
作家:ピエール=オーギュスト・ルノワール、所蔵先:オルセー美術館



【イメージ動画】

会期 2021年7月7日(水)~10月31日(日)
参加費 無料
推奨動作環境 PC、スマートフォンのブラウザで利用できる。
【PC】
CPU Core i7 以上 (Intel CPUの第7世代以降、またはそれと同等以上のパフォーマンスのもの)、メモリ(RAM)8GB 以上、推奨ブラウザ(Google Chrome)
【スマートフォン】
・iPhone:iPhoneX(iOS14)以降、推奨ブラウザ(safari)
・Android:Android10以降、メモリ(RAM)4GB以上、推奨ブラウザ(Google Chrome)
https://shibuya-miyashitapark.parallel-city.jp


「SHIBUKURO」と連動したオリジナルグッズを販売

渋谷未来デザインとDNPは2019年より、渋谷区の地域資源を活用して渋谷区の魅力やメッセージを発信し、収益の一部を還元する「渋谷区公認スーベニア事業」を展開し、オリジナルバック「SHIBUKURO」の制作・販売などを行っている。今回、展示会のオリジナルグッズとして「山本奈衣瑠×渋谷区公認スーベニアSHIBUKURO」のトートバッグ、Tシャツをバーチャル空間内で販売する。

トートバッグ、Tシャツを販売する仮想のショップ


VRChat OHANAMI WORLD 『Bloom Your Flower』

VRChatの宮下公園は夜空に花火を打ち上げたり、桜吹雪を出したり、1年中桜が楽しめる空間。また、公園内に実際に存在する設備やコートで行う「スケートボード」や「ボルダリング」もバーチャルに体験できる。VRChatのユーザー同士で会話や写真撮影ができるため、コロナ禍で制約を受けてきたお花見や花火などもバーチャルな空間に集まって楽しむことができる。参加費は無料。VRChatのアプリのダウンロードとアカウント登録が必要。

スケートボードのバーチャル体験が可能(写真:ベース空間)

仮想空間のボルダリングウォールへ登ることも可能

【イメージ動画】


「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE」について

渋谷区まちづくりマスタープランは人々がいきいきと過ごせるパブリックスペースの創出や利活用を掲げている。DNP・渋谷未来デザイン・宮下公園パートナーズは「公園の高度利用」を目的とし、バーチャル空間「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE」を構築。3社が連携することでリアルとバーチャルの公共空間を連動させた多様な取り組みを行い、公園の価値向上や新たなコミュニケーション創出、地域活性化を促し、渋谷の新しいカルチャーを発信していく。

1.ユーザー同士が自由に楽しめる公共空間とイベント
スマートフォンなどの情報端末で世界中どこからでもアクセスして楽しめる「ブラウザ版」と、ヘッドマウントディスプレイ等を装着して、より高精細な環境を楽しめるソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」の2つの空間をオープン。「ブラウザ版」、「VRChat」とも、昼と夜のバーチャルな宮下公園を楽しみながら、アート展やオリジナルグッズの購入を体験できる。利用者は自分の分身となるアバターを選んで、バーチャルの公園の散策やイベントに参加し、同時に参加しているユーザー同士の音声会話や、バーチャル空間内での写真撮影、「楽しい」「素敵」等の自身の感情のスタンプでの表現などを行うことで、より深い交流を楽しむことができる。

2.リアルとバーチャルが連動した渋谷区立宮下公園の高度利用
リアルとバーチャルの宮下公園を連動させて、公共空間の高度な利用を行う。オープン時に開催するアート展ではリアルの公園内のポスターのQRコードを読み込むと、バーチャル空間にアクセスできる。今後も、リアルとバーチャルが連動した体験価値を企画、検証し、新しいコミュニケーション創出へ繋げる。

3.開かれた自己発信の空間へ
バーチャル空間の機能を活用して、人々が新しい体験やカルチャーを発信できる空間を目指す。地域の魅力発信やクリエイターの作品発表、生活者の自己表現や交流、企業のメッセージ発信のためのイベントなど、さまざまな取り組みを時間や場所に関係なく同時多発的・パラレル(並行)に展開できる。


今後の展開

DNP、渋谷未来デザイン、宮下公園パートナーズは「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE」を地域の新しいコミュニケーションの場として区民や来訪者など、多くの生活者に提供していく。また、企業と連携した取り組みを実施するほか、渋谷区内の学校と連携したバーチャル空間体験プログラムや渋谷区主催のイベントと連動した企画なども、今後展開していく計画。

今回の取り組みに関して渋谷区・DNP・宮下公園パートナーズからコメント
■渋谷区長 長谷部 健 氏
リアルとバーチャルが連動した多様な取り組みが行なわれることで新たな賑わい創出につながり、渋谷区立宮下公園がこれまで以上に魅力的な公園となることを期待しています。また、この実証事業により新たな体験価値やコミュニケーションが創出され、新しい公共空間の活用へ繋がる取り組みになればと思います。

■大日本印刷株式会社 専務執行役員 蟇田 栄 氏
DNPは、もう1つの宮下公園、パラレル空間をご用意させていただきました。渋谷区及び周辺地域、企業の皆様と新たなコミュニケーションの場として使っていただき、地域の発展に寄与できればと考えています。今回の取り組みからリアルとデジタルをつなぐ未来の公共空間として多くの皆様にご利用いただけることを期待しています。

■宮下公園パートナーズ 所長 大塚 晃一 氏
バーチャル空間に、いくつものパラレルワールドが展開する様は、文字どおり「無限の可能性」を感じさせてくれます。従来はリアルワールドの複製として、展開してきたバーチャル空間ですが、そう遠くない未来に、まさにパラレルになる日が来るかもしれません。渋谷区立宮下公園の指定管理者としては、バーチャル空間とリアルな空間との連携による新たな可能性に挑戦したいと考えています。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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