トヨタ子会社「ウーブン・プラネット」が米国Renovo Motorsを買収 車両開発プラットフォーム「Arene」の開発を強化

トヨタ自動車株式会社の子会社であるウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社は、シリコンバレーを拠点とし、先進的な自動車向けオペレーティングシステムを開発する企業であるRenovo Motors, Inc.を買収したことを2021年9月28日に発表した。

同社は、2018年に設立されたトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社の事業を更に拡大、発展させるために、2021年1月にウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社、ウーブン・コア株式会社、ウーブン・アルファ株式会社、ウーブン・キャピタルの新体制のもと事業を開始。それぞれの強みと専門性を活かし、相乗効果を生み出し、ビジョンとして掲げる「Mobility to Love, Safety to Live」を実現し、自動運転技術・ロボティクス・スマートシティなどの分野において、新しいイノベーションの創出とパートナーシップの拡充を通して、人々の働き方や暮らしを変えていくとしている。





オープンな車両開発プラットフォーム「Arene」の開発を強化

なお、今回の買収により、同社は、自動運転技術と次世代の自動地図生成技術、車両OS技術における世界トップクラスのエンジニアや専門家によるチームの構築を前進させ、未来のモビリティ社会に向けて開発を加速させて行くと述べている。また、オープンな車両開発プラットフォームであるAreneの開発を以下の通り強化していくとのことだ。

1. ソフトウェア・デファインド・ビークル(Software Defined Vehicle: ソフトウェアをまず定義し、それに基づいて設計された車両)のインフラを構築するための深い専門知識を持つ世界トップクラスのエンジニアから成るチームの形成
2. ハードウェアに依存しないオペレーティングシステムを確立するという目標に向けて、複数のOEMの環境でも動作するプラットフォームとソフトウェアの提供
3. 業界パートナーからなる、強固な技術エコシステムの確立



今回の買収に関する両社からのコメント

ウーブン・プラネット・ホールディングス ソフトウェア・プラットフォーム
シニア・バイス・プレジデント ニコス・ミハラキス氏

今回のRenovo Motorsの買収は、世界のモビリティに変革を起こすというウーブン・プラネットの目標を支えるものです。私たちの『Mobility to Love, Safety to Live』というビジョンに向けて、車の開発におけるプログラミングをオープンなものにすることです。つまり、安全性やセキュリティを第一に、車両ソフトウェアの開発をシンプルにし、デプロイ(実装)の頻度を高めることで、誰にでも車両向けプログラムの開発が可能になる環境をめざしていきます。この分野に関してRenovo Motorsは深い知見を持っており、私たちはRenovo Motorsの将来性を高く評価し、独自の価値に感銘を受けました。Renovo Motorsは、技術的にもカルチャー的にも最適なパートナーであり、モビリティ技術の新時代をともに切り開くことに大きく期待しています。

Renovo Motors CEO クリストファー・ハイザー氏

私たちは、ウーブン・プラネットのチームが築き上げてきたものに敬意の念を抱いており、全ての人にとって非常に有益、かつ包括的なモビリティソリューションを一緒に作り出していくことを楽しみにしています。私たちは、業界で最も優れたユビキタスなソフトウェアと、自動車技術をつなぐという共通の目標に向かって進んでいます。ウーブン・プラネットとトヨタは、私たちが常に目標としていたことを世界規模で実現しようとしているパートナーであり、とても嬉しく思います。







Renovo Motorsについて

Renovo Motorsは、数々の賞を受賞した自動車向けソフトウェア企業であり、自動車メーカーが開発した車両から、顧客のニーズを継続的に分析することを可能にするデータ管理プラットフォームを初めて市販化した。Renovo Motorsの「コンプリートループ」アプローチにより、自動車メーカーは、ユーザーの満足につながる、便利でより安全、高性能、かつ信頼性の高い車両を提供することが可能になった。



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