人に似たアバターによる遠隔接客サービス「KSIN」来年4月リリースに向けて開発中 受付や窓口業務を効率化 トライアル募集開始

株式会社ユニキャストは株式会社デジタル・フロンティアと共同で開発中の、アバターによる有人遠隔接客サービス「KSIN」(けしん)のトライアル受付を2021年12月21日より開始した。サービスは2022年4月にベータ版をリリースする予定で、トライアルに協力する企業を募集している。


アバターによる遠隔接客サービス

デジタルツインやメタバースをはじめとした、3Dモデルやデジタル空間の活用が注目されている。こうした中で開発を進めているこのサービスは、アバターによる遠隔接客を可能にするWebサービス。操作する人間の表情をリアルタイムにアバターに反映し、豊かな感情表現を実現する。そのため、アバター越しでありながらも対面での接客のような自然なコミュニケーションが可能となっている。アバターを通して本物のスタッフが接客を行うため、AIやチャットボットでは対応が難しいリアルタイムかつ複雑なコミュニケーションが可能だ。

アバターには、Epic Gamesが提供する「MetaHuman」という3DCGキャラクターを起用した。人間に近い容姿のため、アニメ調のアバターに比べて冠婚葬祭の式典や重要な商談など、フォーマルな場にもマッチすることが期待できる。
今後はさらに、デジタル・フロンティアが研究開発を続ける、より高精細な3DCGキャラクターを導入し、アバターが活躍する場を創出したい考えだ。



接客担当の効率的な運用

このサービスは、主に店舗における接客や窓口業務への導入を想定している。サービスの導入により、従来店舗毎にスタッフを配置する必要のあったサービスカウンターなどの業務を、遠隔拠点のカスタマーセンター等に統合したり、集中して運営することができる。
これにより、混雑する店舗・時間帯は遠隔拠点のスタッフがサポート対応できるため、顧客の待ち時間の短縮にも繋がるという。同時に、店頭の人員配置を最適化することができるため、人件費の削減効果が見込まれる。
さらに、商品知識の豊富なスタッフや外国語堪能なスタッフがどの店舗でも対応できるようになるため、専門性の高い接客サービスを幅広いエリアで提供可能となる。



アバターを使うことによるメリット

遠隔接客の先行事例には、チャットなどテキスト中心のもの、実写でスタッフの顔を表示しながら接客するもの等が多く見られる。アバターを使うことによるメリットとはなにか。同社は次の点を掲げる。

(1)リアルタイムでアバターの表情や動きがスタッフに連動し、チャットや音声のみでの対応より人間味のあるコミュニケーションを実現。
(2)お互いの心理的負担を軽減し、コミュニケーションを活発にする。
(3)スタッフのプライバシーを守ることができる。
(4)アバターとリモート環境の活用により、勤務地・年齢・外見等を気にせず、広範囲での採用が可能になり、労働人口減少化における人手不足解消にもつながる。


システム構成

通常、高精細・フォトリアルな3DCGキャラクターを表示するには高額の専用マシンが必要となっていたが、このサービスでは負荷の高い処理をクラウド環境で実現することにより、手持ちのPCとインターネット環境のみで、スムーズにサービス利用を開始できる。




トライアル募集

サービスのトライアルに協力する企業を募集している。下記の特設サイト内のトライアルお申し込みフォームから申し込みできる。
https://unicast-robotics.com/ksin/#ksin-trial


今後は2022年4月のベータ版リリースに向けて開発を進め、トライアルのフィードバックを活かしてより良いサービスを目指すとしている。

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ロボスタ編集部

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