NECが海陽中等教育学校に顔認証を導入 全生徒・教職員約600名が構内売店で手ぶら・非接触の買い物が可能に

NECは、愛知県にある学校法人海陽学園 海陽中等教育学校へ「顔認証決済サービス」を提供する。「顔認証決済サービス」はパッケージ化によって短納期導入と決済金額に応じた従量課金で導入しやすいコスト最適化を実現したもの。売店に導入され、全生徒・教職員約600名が構内売店で手ぶら・非接触で買い物が可能となる。従来は学園内では決済用ICカードを利用していた。

顔認証決済サービス導入予定の構内売店


全生徒・教職員約600名が、売店で顔認証決済

このサービスは、本年10月より運用を開始する予定。生徒・教職員約600名が様々な物品を頻繁に購入する構内の売店に導入し、生徒・教職員は手ぶら・非接触で買い物することができるようになる。
海陽学園以外の国内の教育現場で、生徒や教職員を対象に本格的な商用利用として顔認証決済を導入した例はこれまでになく(NEC調べ)、先進的な取り組みとなる。


海陽学園は、次世代を担う人材の育成を目指し、トヨタ自動車株式会社、東海旅客鉄道株式会社、中部電力株式会社をはじめ、80社以上の企業が賛同して2006年に愛知県蒲郡市に設立された中高一貫校。
この学園は、寮生活を通じて人間力を磨くことを目標に全寮制としており、トラブル回避の観点から生徒には現金を持たせず、学園内での買い物は決済用ICカードを持たせて運用していた。


当初は顔認証の自動販売機を設置

一方で、独自の決済システムを保持しているため運用維持にかかる負担が大きく、生徒が決済用ICカードを紛失してしまうなどの課題があった。これらの対策の一環として2021年にまずは顔認証決済に対応した自動販売機を設置した。今回、手ぶらで買い物ができるシーンを広げることで利便性の更なる向上を図るとともに、「次代のリーダーを育成する」という学園方針のもとより多くの生徒に「顔認証」という最新技術に触れることで創造力を醸成してもらいたいとの想いから、NECの「顔認証決済サービス」を採用し、売店での導入が決まったという。


このサービスは、生徒本人と保護者同意のもとで、生徒の顔写真や決済と紐づけるプリペイドカード(株式会社Kyashが提供するプリペイドカード)などの情報を事前にシステムへ登録。一度登録すれば、売店レジに設置したタブレットで本人が認証でき、商品を購入する際にマスクをしたまま非接触かつ手ぶらで快適な決済が可能になる。収集するデータは本サービス内のみに使用して、他の目的に使用することはないという。また、顔認証決済サービスの利用を希望しない場合は、従来通り、プリペイドカードによる決済も当面は利用できる。
また、購入商品などの情報は登録したメールアドレスへリアルタイムに配信するため安心して利用できるほか、保護者の方々へメールが届くことで生徒の学校と寮の生活の様子を知ることができ、離れて生活する家族間のコミュニケーションのきっかけにもなるという。


NECの「顔認証決済サービス」の特長

NECは、顔認証決済を通じて様々な領域の顧客に新たな価値を提供するため、パートナー企業との共創を加速したい考えだ。今月より、共同でNECの「顔認証決済サービス」と連携した商品開発するパートナー企業や販売パートナー企業の募集を開始する。



1.パッケージ化による導入の容易性

短期間でDXを実現するDXオファリングメニューとして整備し、パッケージプランとして本年7月より提供を開始した。従来は個々の要件に応じてシステムを構築・提供していたが、本サービスを利用することで、顔認証決済をスピーディーに導入することが可能となる。
また、サービス価格は決済金額に応じた従量課金制でコストを最適化できるため、スモールスタートから大規模利用まで幅広く対応できるとしている。
なお、NECのDXオファリングメニューとは、顧客の課題解決に必要な製品・サービス構成、全体価格、契約、納品や運用保守の役務などを定型化したもの。


2.サービスの拡張性

NECのDXオファリングメニューの共通基盤である「NEC Digital Platform」を活用しており、顔認証による入退サービスなどNECの各種サービスのシームレスな提供が実現できる。生体認証を共通IDとして複数のサービスと連携することで、新たな顧客体験・サービスの創出が可能。


3.世界No.1の顔認証技術とプライバシー保護

NECの生体認証「Bio-IDiom」(注5)の中核技術であり、世界No.1の顔認証技術を活用している。また、事前に登録する顔認証データに対して変換関数(鍵)を用いて変換した状態で認証する、キャンセラブル生体認証を実装している。これにより、万が一登録した顔認証データが漏えいしてしまった場合でも、変換に用いる鍵を変更することで漏洩した顔認証データを無効化することが可能になり、プライバシーの保護とセキュリティを担保する。


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ロボスタ編集部

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