車両搬送ロボット「Stan」が自動車の入庫・車両搬送・駐車・出庫を無人で実行 三菱重工が実証試験(フェーズ2)を開始

三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)と三菱重工グループの三菱重工機械システム株式会社は、フランスのベンチャー企業であるスタンレーロボティクス社(Stanley Robotics)の車両搬送用AGVロボット「Stan」を用いた自動バレーパーキングの実証試験(フェーズ2)を千葉県印旛郡酒々井町のアウトレットモール「酒々井プレミアム・アウトレット」で開始することを発表した。


車両搬送用AGVロボットによる自動バレーパーキングの実証試験

今年6月に実施した国内商業施設における日本初の自動バレーパーキング実証試験(フェーズ1)では、AGVロボットによる搬送性能の検証ならびに利用満足度の評価を行った。今回の実証試験(フェーズ2)はその内容を発展させたもので、新たに開発したスマートフォンアプリを導入し、入庫・車両搬送・駐車・出庫の全過程を無人で実行する自動バレーパーキングの実証を行う。また、今回の実証試験も三菱地所グループの協力の下、三菱地所・サイモン株式会社が開発・運営する酒々井プレミアム・アウトレットの関係者駐車場を利用し、施設関係者車両を対象に実施する。

Stanley Robotics社製 AGVロボット”Stan”

今回の実証内容を社会実装することで、利用者が出庫する際、スマートフォンアプリにより自車の出庫状況や混雑状況を確認でき、駐車待ち時間を大幅に短縮できる。また、鍵をかけたまま車両を預けることができるため、利便性の向上と新型コロナウイルスの感染リスク低減に寄与する。事業者にとっても利用者に商業施設内でのショッピングや食事を楽しむ時間を創出するという新しい価値を提供できるメリットがある。

実証エリアの地図とスマートフォンアプリ画面のイメージ

三菱重工グループでは国内の商業施設や空港、テーマパーク、複合施設、病院などで新しい駐車場の形となる自動バレーパーキングサービスを利用できるよう、実証で得られた知見を踏まえつつ、早期の事業化・社会実装に向けた取り組みを進めている。


AGVロボットによる自動バレーパーキングのコンセプト

1.入庫
利用者は施設近接に設けられた「バース」に駐車。車両を乗り捨てる感覚で駐車でき、雨の中や重い荷物を持ったまま遠い駐車場まで歩く、駐車スペースを探すといった煩わしさから解放される。

2.自動搬送
AGVロボットがロボット駐車エリアに自動搬送。限られた駐車エリアを効率的に利用し、収容効率をアップ。区画された駐車エリア内に保管することで、駐車場内の事故や車上荒らしを防止する。

3.出庫予約
帰る際はスマートフォンアプリで出庫予約。予約時間に合わせて、車両をバースまで自動搬送。利用者は搬送状況をアプリで確認、出庫までの時間を買い物、食事などに有効活用できる。

4.出庫
バースに車両を準備。利用者は待ち時間なく広々としたバース内で荷物を積み込み、ストレスのない快適な出庫が可能。




Stanley Robotics社について

Stanley Robotics社はフランス・パリに本社を置く2015年創業のベンチャー企業で、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた屋外物流の新たなソリューションを提供している。自律して自動車を持ち上げ・搬送するロボットと、駐車状況を高度に管理可能なソフトウェア技術を駆使した自動バレーパーキングサービスを世界に先駆けて展開して、ロボティクスによる屋外物流の劇的な変革をもたらすべく事業に取り組んでいる。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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