【世界初】ドコモ/KDDI/ソフトバンク/楽天モバイル、共同体制で国際規格「O-RAN」試験・認証拠点「Japan OTIC」をYRPに開設

一般社団法人YRP研究開発推進協会と株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社および楽天モバイル株式会社は、2022年12月20日、移動通信の各種機器の相互接続を可能とする国際的な規格であるO-RAN ALLIANCE(オーランアライアンス)が定める標準仕様に基づく試験・認証を行う拠点「Japan OTIC(ジャパンオーティック)」を、横須賀リサーチパーク(神奈川県横須賀市)に開設した。

2018年にドコモなどが設立した国際機関のO-RAN ALLIANCEは、複数のメーカーの機器を柔軟に組み合わせて基地局の高機能化を図ることなどを目的として、無線アクセスネットワークの相互接続可能なインターフェースの仕様を定めるなどの活動を展開している。OTIC(Open Testing & Integration Centres)は、同機関が定めた標準仕様(O-RAN仕様)に基づき各種機器の試験を行って認証する機関であり、Japan OTICの設立・運営は、一般社団法人YRP研究開発推進協会を代表に、4社の通信事業者が共同で行う。

なお、ヨーロッパ、アメリカ、アジアにもOTICが開設されているが、一般社団法人YRP研究開発推進協会調べ(2022年12月20日時点)によると、複数の通信事業者が共同で設立・運営する体制は世界初とのことだ。

Japan OTICの役割と活動内容

世界の通信は5Gの時代を迎え、よりオープンで、より確実、安全なネットワークインフラが求められている。Japan OTICは、O-RAN仕様にそった中立的でオープンな相互接続性の検証環境を提供し、通信事業者の経験を用いて各種機器の機能を試験し、仕様に適合することを認証する。また、日本の情報通信分野のサプライチェーンのオープン化、活性化、多様化、海外展開を進め、日本はもとよりグローバルに、よりオープンでより確実・安全な5G通信社会の実現に貢献する。

Japan OTICの活動

国際的な規格による認証の効果

国際的な規格ができる前の基地局の機器は、通常、その内部構成がメーカー独自の構造となっており、単一のメーカーから決められた機器の組合せを導入するのが一般的であったが、異なるメーカーの機器を接続するインターフェース仕様を定め、相互接続に関する認証を行うことにより、基地局に異なる複数メーカーの機器の導入が広く可能になった。

Japan OTICの効果

【横須賀リサーチパーク(YRP)および一般社団法人YRP研究開発推進協会】
日本におけるJapan OTICは、YRPに一般社団法人YRP研究開発推進協会を理事代表として開設される。YRPは、1997年10月に、神奈川県横須賀市に開設された全体面積約58.8ヘクタールの通信分野の研究開発エリアだ。実験電波が域外へ漏洩するリスクが少ない地形を生かして、電波を用いる次世代の通信技術の実証実験の場として、日本電信電話株式会社、株式会社NTTドコモ、国立研究開発法人情報通信研究機構など、国内外の有数の情報通信関連の研究機関が集積するエリアとなっている。


2020年12月に一般社団法人となったYRP研究開発推進協会は横須賀リサーチパーク(YRP)に集積する情報通信関連の企業・研究機関の連携、共同研究を推進し、情報通信分野の研究開発の拠点の形成、総合的政策の牽引、基盤の整備を担っている。

Japan OTICの設立・運営団体

O-RAN ALLIANCEについて

O-RAN ALLIANCEは、5Gをはじめとする次世代のオープンで高度な無線アクセスットワークの構築を目的に、AT&T、チャイナモバイル、ドイツテレコム、ドコモ、オレンジの5社が設立メンバーとなり、2018年に、ドイツのボンに設立された。現在、世界の通信事業者32社とメーカー等304社(同機関HPより/2022年12月20日時点)が参加して、国際的な無線アクセスネットワークのオープン化、仮想化、インテリジェント化のために相互接続可能なインターフェースの国際的な標準仕様を定めるなどの活動を展開している。(2022年12月20日時点)

世界のOTIC(Open Testing & Integration Centres)

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