東京国立博物館、国立文化財機構文化財活用センター、TOPPANは、真言宗総本山 教王護国寺(東寺)が所蔵する21体の仏像で構成される立体曼荼羅を再現したVR作品『空海 祈りの形』を、東京国立博物館 東洋館内「TNM & TOPPANミュージアムシアター」にて、2024年7月17日から10月14日まで上演する。
■ VR作品『空海 祈りの形』
真言密教の歴史と密教彫刻の最高傑作である立体曼荼羅を紹介
上演されるVR作品『空海 祈りの形』は弘法大師空海(空海)が日本で完成させた真言密教の歴史と、東寺講堂に安置されている平安時代前期に作られた密教彫刻の最高傑作である立体曼荼羅を紹介するもの。
国宝16体、重要文化財5体の合計21体の仏像について、立体形状計測と高精細デジタル撮影によるデジタルアーカイブを実施。TOPPANのVR技術で仏像すべてを高精細に再現することで、現地では見ることが困難な角度や位置から1体1体を拡大するなど、VRならではの視点で立体曼荼羅を鑑賞できる作品となっている。
また、東京国立博物館 平成館で東寺と同じく空海ゆかりの寺院である高雄山神護寺をテーマにした創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」が、2024年7月17日〜9月8日まで開催されるのと時期を合わせて2019年に初演した本VR作品を再上演する。さらに、空海への理解深耕、来場動機の創出を図るプロモーションとして、上演期間中、空海の月命日である「弘法さん」の日(毎月21日)に、プレゼント企画も実施する。
東寺講堂の立体曼荼羅について
空海は、言葉では伝えにくい密教の教えを視覚的に表すために、21体の仏像で構成される立体曼荼羅を構想。密教の教えを広めるために建立した講堂に、最上位の仏とされる大日如来を中心として四方に4体の如来を配した五智如来(重要文化財)と、その右側に金剛波羅蜜菩薩を中心にした五大菩薩(国宝)、左側に不動明王を中心にした五大明王(国宝)、四方には四天王と梵天、帝釈天(いずれも国宝)が諸尊を守るように配している。
この立体曼荼羅は平安時代前期の密教彫刻の最高傑作とされている。
VR作品『空海 祈りの形』について
空海ゆかりの国宝・重要文化財を交えて入唐から講堂建立までの空海の軌跡を解説
重要文化財「紙本著色弘法大師行状絵詞」(東寺所蔵)を用いて、空海の入唐から講堂建立までの軌跡をたどる。
立体曼荼羅21体の仏像をVRならではの手法で鑑賞
立体形状計測と高精細デジタル撮影で取得したアーカイブデータを元に、東寺講堂の立体曼荼羅21体の仏像をVR技術で再現。東京国立博物館内の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」では立体曼荼羅の中央に配置された高さ7メートルの「大日如来」を実物大でスクリーンに投影するなど、仏像21体の複雑な形状をさまざまな角度や位置からVRならではの視点で鑑賞することができる。
空海が独自に構想した立体曼荼羅を紐解く
本作品は、空海が配置した仏像の位置を正確に再現。現地の講堂内部にある柱をVR上で取り除き、配置された仏像をめぐりながら、その位置関係から空海の構想した立体曼荼羅の意味を紐解く。
「弘法さん」の日限定 オリジナルステッカープレゼント
空海の月命日である21日に東寺で毎月行われている「弘法さん」にちなんで、7月21日、8月21日、9月21日に、VR作品『空海 祈りの形』を鑑賞した来場者には、ミュージアムシアター限定のオリジナルステッカーがプレゼントされる。尚、ステッカーは数量限定のため、なくなり次第終了となる。
VR作品『空海 祈りの形』上演案内
場所 | 東京国立博物館東洋館地下1階 TNM & TOPPAN ミュージアムシアター |
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期間 | 2024年7月17日~10月14日 |
上演日時 | 水・木・金 12:00、13:00、14:00、15:00、16:00 土・日・祝・休日 11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00 *所要時間約35分、各回定員90名 *上演スケジュール、定員は都合により変更する場合がございます。 |
鑑賞料金 | 高校生以上:600円 中学生・小学生:300円 未就学児、障がい者とその介護者各1名:無料 *チケットは、シアター前券売機で購入してください。 *開演時間までにチケットをお買い求めください(当日券のみ)。 *高校生を除く18歳以上70歳未満の方は、別途博物館入館料が必要です。 |
「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」について
「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は、VRによる文化財の新しい鑑賞方法を体験できる施設。
「バーチャルリアリティで時空を超える」をコンセプトに、東京国立博物館の収蔵品を中心とする文化財デジタルアーカイブをVR技術で可視化。文化財の姿をあざやかに映し出す超高精細4Kプロジェクタ、300インチの迫力ある大きなスクリーン、専属のナビゲーターのライブ上演により、コンピュータが生成する三次元空間の中にいるかのような感覚で文化財を鑑賞できる。文化財の往時の姿の再現や肉眼では鑑賞することが難しい細かなディテールの拡大など、デジタルならではの文化財との新たな出会いと楽しみ方を提供する空間となっている。