
株式会社commissure(コミシュア)は、人間やロボットが触覚データを生み出し、感覚資産として活用することを可能にする「Hapto AI構想」(ハプト・エーアイ)を発表した。この構想では、現実世界における物理的なインタラクションを学習する「Physical AI」として位置づけ、人間とロボット双方が相互に感覚を収集・活用する基盤の構築を目指している。
触覚技術の蓄積を基盤とした新構想
commissureはこれまで、人間から触覚データを収集するセンサデバイス「SenseFuse」や、ユーザーに触覚を提示する「FeelFuse」を開発してきた。さらに触覚コンテンツの制作を支援する触覚生成AI「HaptoAI」も手がけており、今回の構想はこれらの技術的蓄積を基盤としている。
同社は今後「HaptoAI」の開発を加速させ、ハプティクスとロボット領域をつなぐ足がかりとなるPhysical AIとしての発展を図る方針だ。
多様な応用展開への可能性
本構想が実現することで、人間から人間への技能伝承や、人間からロボットへの技能転移が可能になる。また、ロボットが収集したデータによる人間の体験拡張など、様々な応用展開が期待される。
代表取締役の溝橋正輝氏と堀江新氏は「人間とロボットが互いの得意領域で補い合い、それぞれが進化していく未来を実現します。触覚という、これまでデジタル化が困難だった感覚を通じて、人間の技能とロボットの能力・スケールをかけ合わせた新たな価値創造を目指します」というコメントを出している。
触覚技術とAI、ロボティクスの融合により、産業界における新たな自動化や技能継承の手法として注目される構想となりそうだ。
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