事故概要
2016年5月7日、フロリダの高速道路を自動走行モードで走っていたテスラ モデルSが、突如側方から出てきたトレーラーに衝突したことでドライバーが亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。

テスラの調べによれば、通常事故に至るまでの平均走行距離は人間の運転に比べて自動運転の方が明らかに少ないことが発表されています。つまりこの事故はとてもレアなケースで、不運が重なって起きた事故と考えられます。
オートパイロットモードとは?
今回亡くなられた人はテスラの自動運転の様子をYouTubeにアップし、その投稿をテスラCEOのイーロン・マスクがツイートしていました。
動画を見ても分かる通り、文句のつけようのない自動運転が既に実現されていることがわかるかと思います。
このテスラの自動走行モード(オートパイロットモード)については、まだベータ版であり、完全自動運転ではなく人間をアシストする仕組みであり、運転の責任はドライバーにあるという位置づけとなっています。
そしてデフォルト状態ではオフの機能になっています。ドライバーがこの機能をオンにしていても、しばらく手を離しっぱなしにすると車は警告を出し、それを無視すると徐々に減速する仕組みも組み込まれています。
ちなみに、テスラは日本でも2016年1月より、国交省の認可を得てオートパイロットモードを追加するソフトウェアアップデートを配信しています。日本国内においても、道交法上、ドライバーが適切に操作できる状況であれば、常時ドライバーが操作をする必要はないとされています。
今後について
テスラの発表によれば今回の事故は、トレーラーの車体が高かったこと、晴天でトレーラーの車体の白い色を感知できなかったため、ブレーキが作動しなかった可能性があるそうです。
現在、初の自動運転中の死亡事故として米高速道路交通安全局(NHTSA)が調査を始めることが明らかになっています。調査の結果次第では、大規模なリコールに発展する可能性もあります。

この事故をきっかけに自動運転のあり方について今まで以上に様々な議論がなされることでしょう。自動運転車が持つべき倫理(10人を事故に巻き込むぐらいなら、1名の命を奪ったほうが良いのか?など)についての議論も盛んになっています。国による法整備も、人間の意識もまだまだ追いついていない先端分野、今後もロボスタでは注目していきます。


